2013年のデジャブ?ビットコイン、年末ラリーに向けて好材料揃う【Krakenリサーチ】

2013年のデジャブ?ビットコイン、年末ラリーに向けて好材料揃う【Krakenリサーチ】

9月のビットコイン(BTC)は7%のマイナスと、5月以来で最悪のパフォーマンスだった。9月はビットコイン史上最も成績の悪い月であることに加えて、中国による暗号資産(仮想通貨)サービス全面禁止の発表が重しとなった。

中米のエルサルバドルによるビットコインの法定通貨としての採用が始まった9月7日、ビットコインは一時5万3000ドルを付けたが、9月の季節性の壁に跳ね返された印象だ。しかし、オンチェーンでの取引データを見てみると、ビットコインに対する需要の高さが確認されており、10月からの第4四半期に向けて好材料が揃ってきている。

押し目買いをしたクジラたち

クラーケン・インテリジェンスは1000BTC(約53億円)以上を持つビットコインのウォレットを「クジラ」と定義しているが、9月にクジラが保有するビットコインはビットコイン価格とは逆に増加傾向だった。

(出典:Kraken Intelligence「ビットコイン価格(青)とクジラによるビットコイン保有額(水色)」)

9月は、クジラによるビットコイン保有額が同月17日に1188万BTCと過去最高をつけたあと若干減少したが、6月につけた以前の過去最高である1187万BTCよりは高い水準で終えた。7日の5万3000ドルからビットコイン価格は大きく下落したものの、クジラはビットコインの蓄積を進めていたことが分かる。9月の低調なビットコイン相場をチャンスと捉えたクジラが多かったのかもしれない。

調整局面は終了か

ビットコインの180日間のアクティブ供給量というブロックチェーンのデータにも注目してみよう。これは、過去180日間で少なくとも一回は取引をしたビットコインの合計枚数を示す。歴史的に、180日間のアクティブ供給量が下がる時は調整相場の終えんを意味する。長期保有者による蓄積傾向が高まっていると解釈されるからだ。

実際、9月にビットコインの180日間のアクティブ供給量は急減少し、長期トレンドのサポート水準まで下がった。最近のビットコイン売りが短期的な市場参加者によるものであり、調整局面が一服したことを示している。今後、長期保有者による高い需要を背景に、供給がひっ迫されてビットコイン価格が上がるシナリオが濃厚となっている。

(出典:Kraken Intelligence「ビットコイン価格(青)とビットコインの180日間のアクティブ供給量(赤)」)

2013年のデジャブ?

歴史が繰り返されるとは限らない。しかし、現在のマーケットのサイクルは、2013年の年末にかけての強気相場のサイクルと似ていることは指摘しておきたい。

クラーケン・インテリジェンスが注目したのは、「ホドル・ウェーブ(HODL Wave)(少なくとも過去1年間移動しなかったビットコインの供給量全体に対する割合)」だ。

(出典:Kraken Intelligence「ビットコイン価格(薄紫)とホドル・ウェーブ(紫)」)

2013年のサイクルでは、ビットコイン価格は増加、調整、保ち合い、そして増加というパターンが見られたが、今回の相場は、最後の「増加」を抜かして、同じ傾向がみられる。

ホドルウェーブも同じだ。2013年は、利益確定の売りをする市場参加者が増えるにつれて、サイクルトップ(緑色)からホドルウェーブは下落。ビットコイン価格が保ち合いになった時、同じようにホドルウェーブも横ばいとなった。

現在保ち合いを続けるビットコイン相場だが、2013年の時と同じようにパラボリックな(放物線を描くような)上昇トレンドが新たに開始してもおかしくないだろう。


千野剛司:クラーケン・ジャパン(Kraken Japan)代表──慶應義塾大学卒業後、2006年東京証券取引所に入社。2008年の金融危機以降、債務不履行管理プロセスの改良プロジェクトに参画し、日本取引所グループの清算決済分野の経営企画を担当。2016年よりPwC JapanのCEO Officeにて、リーダーシップチームの戦略的な議論をサポート。2018年に暗号資産取引所「Kraken」を運営するPayward, Inc.(米国)に入社し、2020年3月より現職。オックスフォード大学経営学修士(MBA)修了。

※本稿において意見に係る部分は筆者の個人的見解であり、所属組織の見解を示すものではありません。


|編集・構成:佐藤茂
|トップ画像:Shutterstock

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