【市場動向】暗号資産の時価総額、過去最高を記録──ビットコインは6万2000ドル付近

ビットコインは18日、6万2000ドルに向けて上昇、暗号資産全体の時価総額は過去最高の約2兆5000億ドル(約285兆円)に達した。

ビットコインの価格上昇の大きな要因は、米証券取引委員会(SEC)が15日、ProShares Bitcoin Strategy ETFを承認したことで、同ETFは19日、ニューヨーク証券取引所で取引が開始される。ビットコインは、ビットコイン先物ETFの承認を前に強気センチメントが改善し、1カ月間で約30%上昇した。

「シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)はすでにイーサリアム先物を提供しているので、イーサリアムETFがすぐあとに続くだろう」と暗号資産取引会社のQCP Capitalはテレグラムに書いている。

「多くのグッドニュースはすでに織り込み済み。ビットコインは史上最高値まであと3000ドルに迫っており、短期的には史上最高値を超える動きが起こる可能性が非常に高い」とDailyFXのアナリスト、ニコラス・コーリー(Nicholas Cawley)氏はコメントした。

テクニカルチャートでは4月に記録した史上最高値6万3000ドル付近に強いレジスタンスがあり、短期的には上値を抑える可能性がある。また、指標によると価格は10%近く下落した7月以降、最も買われすぎとなっている。

最新価格

●ビットコイン (BTC):6万1450ドル、+1.6%
●イーサリアム(ETH):3747ドル、+0.3%

●S&P500:+0.3%
●ゴールド:−0.2%
●10年物米国債:1.585%

過熱する先物市場

SECがビットコイン先物ETFにゴーサインを出したことで、CMEのビットコイン先物の建玉は15日、過去最高を記録した。

bybtのデータによると、CMEのビットコイン先物の建玉(未決済の契約)は15日、36億4000万ドル(約4164億円)となり、今年2月に記録した32億6000万ドルを上回った。

一部のアナリストは、最近のレバレッジド・ポジションの増加を受けて、先物市場の過熱を警告している。

「今日のボラティリティは、高いレバレッジの先物市場にけん引されたようだ。最も強いサポートレベルは、5万4000ドル、5万6000ドルにある」とCryptoQuantは18日、ブログに書いている。

アルトコイン状況

フィッチ、ステーブルコインのリスク警告:格付け会社フィッチ・レーディングスは、ステーブルコイン発行者が保有するコマーシャルペーパー(CP)などの短期債の保有額は、今後2~3年でMMF(マネーマーケットファンド)のCP保有額を上回ると予測した。ステーブルコインは運営リスクなどにより、1兆1000億ドルのCP市場を混乱させる可能性があるとフィッチは述べた。

テラ、エコシステムが成長:ブロックチェーン「テラ(Terra)」では、来年前半に160以上のプロジェクトがスタートすると、CryptoSlateは伝えた。テラは最近アップデートを行い、ネイティブ暗号資産のテラ(LUNA)とステーブルコインのTerraUSD(UST)を他のブロックチェーンと簡単に送受信できるようになった。暗号資産テラ(LUNA)の価格は年初から50倍以上に上昇し、時価総額は140億ドルに達している。

●クラーケンにFLOWが登場:暗号資産取引所クラーケン(Kraken)は18日、アメリカとカナダで暗号資産フロー(FLOW)の取引とステーキングを開始したと発表した。ダッパーラボが開発したブロックチェーン「FLOW」は今年、NFT(ノンファンジブル・トークン)が盛り上がるなか、注目を集めている。ネイティブ暗号資産のフローの価格は年初から2倍になり、時価総額は44億ドルに達している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk, TradingView
|原文:Market Wrap: Bitcoin Holds Above $60K as Crypto Market Cap Reaches New High