【市場動向】ビットコイン、6万1000ドルに向け上昇──アナリストの見解はさまざま

ビットコインは28日、不安定な値動きだったが6万1000ドルを回復した。だが短期的な見通しについて、アナリストの見解はさまざまだ。

エルサルバドルのブケレ大統領は28日、政府は「押し目買いした」とツイートし、420ビットコイン(約2500万ドル相当)の追加購入を発表した。これは価格上昇の要因の1つとなった。ビットコインは先週の史上最高値6万6900ドル付近を維持できず、この数日、不安定な値動きとなっている。

「今の状況を新たな高値を目指す前の迅速な調整と準備と考える人もいれば、4万5000ドル〜5万ドルに向けての広範な調整の始まりと考える人もいる」とFxProのアナリスト、アレックス・カプチケヴィッチ(Alex Kuptsikevich)氏はCoinDeskにコメントした。同氏はまた、テクニカルな価格指標は買われすぎ水準から後退し、長期間の調整の確率は下がったかもしれないとも述べた。

最新価格

●ビットコイン(BTC):6万1471ドル、+3.82%
●イーサリアム(ETH):4274ドル、+6.64%

●S&P500:4596ドル、+0.98%
●ゴールド:1798ドル、+0.09%
●10年物米国債:1.56%

一方、他のアナリストは楽観的な見方をしており、今回の反発により年内は買い戻しの動きが活発になると予想している。「第4四半期(10−12月期)はリスクオン取引が加速すると考えている。(中略)暗号資産は最もボラティリティが高いため、我々は見通しについてはきわめて強気」とKey Advisors Groupのエディ・ガボア(Eddie Ghabour)氏はCoinDeskに述べた。

「高値からの急速な下落にもかかわらず、市場は比較的落ち着いており、これはおそらく、年末に向けた大きな上昇の前の落ち込みに過ぎないとやや楽観的にさえ感じている」と暗号資産取引会社QCP CapitalはTelegramに記した。

ビットコインオプションの満期日

29日には31億ドルのビットコイン・オプションが満期日を迎えるため、ボラティリティの要因となる可能性がある。現在、取引高上位のオプションは権利行使価格6万ドル付近にあり、コールがプットを上回っている。

コール(強気の投資)は、オプションの買い手に、将来、原資産を所定の価格で購入する権利を与え、プット(弱気の投資)は、売却する権利を与える。

「ビットコインが現在のレベル(6万ドル前後)を維持し、プット・オプションの取引高が少なければ、ロング(トレーダー)は利益を得ることができる」とファンドストラット(FundStrat)は27日のニュースレターに書いている。

イーサリアム好調

イーサリアムは27日、4000ドルを回復した。24時間で約4%上昇し、ビットコインのパフォーマンスを上回っている。

ETH/BTCレシオ(下図)を見ると、現在0.069のレジスタンスを試している。しかしまだ買われすぎではなく、今後数日で0.08に向けて上昇する可能性がある。

アルトコイン状況

ドージコイン、2カ月ぶりの高値:ドージコイン(DOGE)と柴犬コイン(SHIB)が時価総額第9位の座を巡って、激しい戦いを繰り広げている。相反する値動きで、ドージコインは時価総額第9位の座を維持した。しかし、柴犬コインの時価総額340億ドルは、ドージコインの390億ドルとそれほど負けてはいない。

柴犬コイン、モメンタムトレーダーを魅了:「私が柴犬コインを取引しているのは、暗号資産に顕著な勢いのある値動きが理由。だが、失ってゼロになってもよいと考えているお金を投資している」とKey Advisors Groupのガボア氏は述べた。モメンタムトレーダーは、価格トレンドの強弱に基づいて取引を行う。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk, TradingView
|原文:Market Wrap: Bitcoin Heads to $61K Ahead of Options Expiry