柴犬コイン、70%上昇──時価総額はドージコインを上回る

柴犬コイン(SHIB)が驚異的な上昇を続けている。24時間で70%上昇、時価総額は390億ドル(約4兆4000億円)を超えたようだ。

この時価総額は、取引アプリのロビンフッド(Robinhood)の時価総額(300億ドル)に匹敵し、ヨーロッパの大手銀行、ソシエテ・ジェネラル(280億ドル)やドイツ銀行(260億ドル)を上回っている。とはいえ、すぐに下落する可能性は高い。

当記事執筆時点、CoinGeckoによると柴犬コインは0.00007857ドル。年初から、価格は40倍になっている。

柴犬コインの上昇はオンライン署名サイトのChange.orgで「Kindly request of Robinhood to list Shiba Inu coin!」というロビンフッドへの上場を求める文書がアップされたことがきっかけ。

「暗号資産の中心的な話題は、イーサリアム2.0、そしてビットコインETF投資の着実な影響のはずだったが、リテール市場は柴犬コインに執着するようになった」とオアンダのエドワード・モヤ氏は27日、メールに記した。

CoinDeskのトラフィックもこれを裏付けているようだ。

ロビンフッドの動き

ウォール街のアナリストは26日、電話会議でロビンフッドの幹部に、いつ扱っている暗号資産を増やすのかとの質問を浴びせた。

「顧客からもっと多くの暗号資産を取引できるようにして欲しいという声が寄せられている。ご承知のように、我々はこの分野に大きな関心を払い、懸命に取り組んでいる。規制の観点も進んでいる。他のプラットフォームで取り扱われている暗号資産について、未登録の有価証券ではないかとの数多くの疑問が投げかけられている」と同社最高財務責任者(CFO)のジェイソン・ワーニック(Jason Warnick)氏は述べた。

「我々は顧客の声を聞いており、顧客は多くの機能を求めている。安全性とコンプライアンスの適切なバランスを保ちながら、ミスをしないように、可能な限り迅速に取り組んでいる」(ワーニック氏)

ツイッターでは、ロビンフッドが顧客の声に応じるのではないかとの憶測が飛び交った。

一部のアナリストは、柴犬コインが突然注目を集めていることは、バブル的な投機のサインではないかと懸念し、価格が大きく下落すれば、暗号資産市場全体の下落につながるのではないかと考えている。

ほとんどのデータサイトを見ると、柴犬コインの時価総額は27日はやく、ドージコイン(DOGE)を超えたようだ。今年はじめ、ドージコインをめぐる熱狂の後には、ビットコイン(BTC)や他の暗号資産は数カ月にわたって低迷した。

「柴犬コインは『ドージコイン・キラー』とも呼ばれ、イーサリアム・ブロックチェーン上で動いている。だが、ユースケースの議論はまったくない。柴犬コインのニュースは、暗号資産の成長をけん引し、ウォール街でまで暗号資産に躊躇している人を呼び込むために必要なものではない」とモヤ氏は述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:柴犬はドージコイン、柴犬コインの双方にインスピレーションを与えた(Unsplash, modified by CoinDesk)
|原文:Shiba Inu Jumps 70% to Surpass Market Value of Robinhood – Where It’s Not (Yet) Listed