ディエム(旧リブラ)責任者、メタ(旧フェイスブック)を退社

デビッド・マーカス(David Marcus)氏が、メタ(旧フェイスブック)を去る。同社の意欲的なステーブルコイン・プロジェクト「ディエム(旧リブラ)」はまだ完全にスタートしていない。

マーカス氏は11月30日、メタの暗号資産責任者を退任し、会社を去ると述べた。起業家としてのポジションに戻るようだ。

マーカス氏は、2019年6月に発表されたディエム(当時はリブラ)が依然として規制面での厳しい逆風にさらされていることを理由にあげている。

ペイパル(PayPal)の社長を務めていたマーカス氏は、当初、フェイスブック(当時)のメッセンジャー(Messenger)部門のバイスプレジデントとして入社。2018年半ばに同社のブロックチェーンに関する取り組みの責任者となった。

リブラ(当時)は国境を超えたお金のやりとりをテキストを送るように簡単にするという野心的な計画だったが、2019年6月の発表後すぐに世界中の金融当局から批判の声があがった。マーカス氏は米議会の公聴会にも同社を代表して出席した。

リブラの計画は、数回の修正と主要な支援企業の撤退によって縮小され、名称も「ディエム(Diem」に変更された。先月、メタの暗号資産ウォレット子会社ノビ(Novi)は、ディエムの代わりにパクソス(Paxos)が運営するステーブルコイン「USDP(旧PAX)」を使ったパイロットプロジェクトを開始した。このスケールダウンした取り組みでさえ、一部の米議員から反発を集めた。

メタの広報担当者は、後任はマーカス氏と同じく元ペイパルのステファン・カスリエル(Stephane Kasriel)氏と述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Libra Creator David Marcus Says He’s Leaving Facebook at Year’s End