【市場動向】ビットコイン、レバレッジ上昇に懸念

ビットコイン(BTC)は12月2日、レンジ相場となり、過去24時間でほぼ横ばい。アナリストの見解はさまざまで、先物市場のレバレッジ上昇が短期的な価格下落につながるのではないかと懸念している人もいれば、さらなる上昇を期待している人もいる。

CryptoQuantのアナリストは、クジラ(ビットコインの大口保有者)の購入ペースが遅くなっていることをマーケットの注意サインと見ている。一方、テクニカル指標はビットコインの下落が5万3000ドル付近で横ばいとなる可能性を示しているが、6万ドル〜6万5000ドルを超えると上昇幅は限定的になるようだ。

一部のアナリストは年末が近づくにつれて、ほとんどの投資家は利益確定をするためにロング・ポジションを解消するだろうと述べている。その結果、10万ドルへの持続的な価格上昇の可能性は小さいだろう。

最新価格

●ビットコイン:56,974ドル、+0.5%
●イーサリアム:4,532ドル、−0.7%

●S&P500:+1.4%
●ゴールド:1,769ドル、−0.8%
●米国10年債:1.436%

レバレッジ上昇への懸念

ビットコイン先物市場の建玉は、価格下落にもかかわらず上昇を続けている。

「こうした高水準の建玉がこれほど長期間にわたって続くことは一般的ではない。市場は現在、過剰レバレッジ状態になっていることを示しているだろう」とアーケーン・リサーチ(Arcane Research)は今週はじめのレポートに書いている。

ビットコイン先物の建玉と価格の推移(出典:CryptoQuant)

ビットコイン消費の鈍化

使用されたビットコインの平均寿命を表すASOL(Average Spent Output Lifespan)の値は最近、低下している。高い値は長期保有者が利益確定するために古いビットコインを消費していることを示し、低い値は取引活動が鈍化していることを示す。

「修正局面において、ASOLの低下は投資家の自信が改善していることを示すサインであり、消費されるコインは少なくなっている」とグラスノード(Glassnode)は1日、ツイートしている。ASOLの谷は、7月と10月と同様に短期的な市場の底を示す可能性がある。

出典:Glassnode

アルトコイン

ファイルコイン、ブロックチェーンの電力使用量を示すオープンソースのダッシュボードを発表:ファイルコイン・グリーン(Filecoin Green)プロジェクトは、再生可能エネルギーへの取り組みを証明するためにオープンソースのダッシュボードを開設した。ファイルコインはこのシステムがビットコイン・マイナーに採用されることを望んでいる。「ビットコイン・マイナーが興味を持つなら、電力使用量と再生可能エネルギーの使用量を記録するデータベースを立ち上げることができる」とファイルコイン・グリーンの開発者、アラン・ランシル(Alan Ransil)氏は述べた。

ソラナベースのメタバースプロジェクト「Solice」、430万ドルの資金調達:Soliceはディセントラランド(Decentraland)やザ・サンドボックス(The Sandbox)などと同様のバーチャルリアリティ(VR)ゲーム。Soliceの創業者、クリスチャン・チャン(Christian Zhang)氏はゲームにはネイティブ暗号資産に加えて、ノンファンジブル・トークン(NFT)に裏付けられたアイテムが登場すると述べた。また、アイテムにはゲーム内での金融化の要素もあるという。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Glassnode
|原文:Market Wrap: Bitcoin Vulnerable to Rising Leverage Despite Short-Term Optimism