米国のインフレ率、加速予想広まる──40年ぶりの高水準

米労働省が米東部時間10日8時30分(日本時間22時30分)に発表予定の2月の消費者物価指数(CPI)は、前月比0.8%上昇、前年同月比8%上昇と予想されている。これは1982年以来となる40年ぶりの高水準で、1月の前月比0.6%上昇を上回るペースだ。

ロシアのウクライナ侵攻によって、コモディティ価格が高騰する前から消費者物価の上昇圧力が強かったことを示すだろうと、ブルームバーグは伝えた。

ビットコイン(BTC)はインフレヘッジと考えられているため、多くのトレーダーはCPIに注目している。またビットコイン価格は、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策に関する決定に反応するという見方もある。FRBの重要な役割は、物価を安定させることだ。

多くのアナリストは依然としてビットコインに強気姿勢を示している。だが、ビットコインは期待されたようなインフレヘッジとして機能しているわけではない。ビットコインは2021年11月に史上最高値の約6万9000ドルに達したがその後は値を下げ、年初からは約10%下落している。

BCBグループの店頭取引責任者リチャード・アッシャー(Richard Usher)氏は「ビットコインをはじめとする暗号資産はウクライナからのニュースに連動し、リスクオフ/オンを繰り返して推移するだろう」と述べた。

ガソリン価格とFRB

パウエルFRB議長は先週、2018年以来の引き上げとなる0.25%の金利引き上げを支持すると述べた。だがロシアのウクライナ侵攻が長期化し、世界の原油供給と価格圧力への懸念が増すなか、FRBはここ数週間、ハト派姿勢を強めている。

Regions Financialのシニア・バイスプレジデント兼チーフエコノミストのリチャード・F・ムーディ(Richard F. Moody)氏は、今後数カ月はインフレが継続するとの見通しをレポートに記した。

「我々、そして他の多くは、2月あるいは3月のデータでインフレはピークに達すると予想していた」(ムーディ氏)

ロシア産原油の輸入禁止によって、原油価格が1バレル120ドルを超えたことで、ムーディ氏は「今後数週間はガソリン小売価格への転嫁がさらに進む」と考えている。

アメリカ自動車協会AAAによると、レギュラーガソリンの平均価格は1ガロンあたり4.252ドルまで高騰、1年前は2.796ドルだった。

価格変動の大きな食品とエネルギーを除いたコアCPIは前月比0.5%上昇と予想されていると、BMO Capital Marketsのチーフエコノミスト、ダグラス・ポーター(Douglas Porter)氏は述べた。同氏は、インフレがサプライチェーンの混乱に影響を受けないサービス業などのカテゴリーにも浸透しているかどうかを注視している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Inflation, Tracked by Bitcoiners, Keeps Accelerating, and It Hasn’t Even Peaked