大統領令、暗号資産業界にとって大きな前進【オピニオン】

バイデン大統領が暗号資産イノベーションに関する大統領令に署名し、連邦政府機関に業界のリサーチと規制についてのレポートを指示したことは、業界にとって大きなマイルストーンだ。

暗号資産が私たちの生活基盤となるサービスの多くを変革する長期的な可能性を支持しているなら、今回、連邦政府が示した暗号資産の基本的な重要性に対する認識は、その支持を肯定するものとしか言えない。

業界はオープンな議論を歓迎している。議論はもはや、暗号資産がサバイブできるかどうかではなく、責任あるイノベーションを推進し、アメリカがいかにしてこのイノベーションにおけるリーダーシップを維持するかにシフトしている。

断片的な規制

少し前まで、議会は暗号資産を混乱、嘲笑、無関心の組み合わせのようなものと考えていた。2021年夏には、インフラ法案の資金源とするために、暗号資産に対して見当違いの税務要件を突きつけた。今回、バイデン大統領は、新たな規制の前に連邦政府はデューデリジェンスを行う必要があると公言した。

連邦政府機関に暗号資産のリサーチを指示することによって、バイデン大統領はこの分野を正しく規制することの重要性を認めた。

暗号資産は現在、内国歳入庁(IRS)から証券取引委員会(SEC)、財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)に至るまで、複数の機関からの断片的な指示によって規制されている。曖昧なものもあれば、矛盾しているものもあり、その大部分は、消費者を保護しつつ、暗号資産のイノベーションを促進する、明確で一貫性のあるルールを適切に設定できないでいる。

現在の規制状況は、業界が成熟するにつれて、より多くの困難を生み出すだけだろう。起業家や創業者は、不確実性に捕らわれていては、事業の成長、雇用の創出、消費者への優れたサービスの提供に集中することはできない。そのため暗号資産業界は、政府とのオープンで、生産的な対話を求め続けてきた。バイデン大統領が署名した大統領令で、我々はその目標に近づいた。

大統領令の限界と議会の役割

だが、大統領令ができるのはここまで。つまり、議会が立法化が必要かどうかを検討する必要がある。歴史が証明しているように、こうしたアクションは、我々の社会に多大な利益をもたらす。

1990年代、インターネットという新しいテクノロジーが急成長し、規制当局は突然、対応に頭を悩ませることになった。最終的に、議会は明確なルールと必要な保護を提供しつつ、テクノロジー企業が優れたプロダクトを生み出す余地を与える法律を成立させた。

もし議会が暗号資産に対してインターネットのケースと同じことを考えたなら、同じようなイノベーションの爆発を見ることができるだろう。

暗号資産イノベーションは、多くの人に影響を与える可能性がある。暗号資産テクノロジーは、銀行口座を持たない人たちに金融サービスを提供し、一人ひとりが自分の財政状況を管理できるようにし、データを安全かつ非公開に保存できるようにするなど、多くのことを実現するパワーを持っている。

業界のための明確なルールがなければ、どれも実現不可能だ。

暗号資産は、断片的な規制のまま放置しておくには、あまりにも重要なイノベーティブなテクノロジーであり、バイデン大統領がそれを認識したことは、きわめて心強い。議会も大統領のリードに続いて、21世紀の暗号資産ムーブメントを後押しすべきだろう。

クリスティン・スミス(Kristin Smith)氏は、ワシントンDCに拠点を置く業界団体「ブロックチェーン協会(Blockchain Association)」のエグゼクティブ・ディレクター。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:President Biden’s Crypto Order Is a Huge Step Forward for the Industry