個人投資家、ビットコインへの関心低下:Googleトレンドが示唆

昨年は6万9000ドルの史上最高値にまで達し、今年は4万ドル付近のレンジ相場となっているビットコイン(BTC)。「Googleトレンド」の検索データを見ると、多くの人たちの関心を集め続けることはできなかったようだ。

ビットコインのグローバルな検索数は、2022年4月22日時点、2020年半ばのレベルとなっている。具体的には、4月17日〜23日までの1週間の数値は「17」。2021年5月の「76」と比べると、大幅に低下した。

Googleトレンドは、検索数の絶対的なボリュームを示すものではなく、相対的なボリュームを示すもの。つまり、必ずしもビットコインの検索数が減少していることを意味するわけではなく、他の人気キーワードと比べて、人気が低下していることを示している。

ビットコインへの関心は2017年にピークを迎えた。2021年は関心が低下しており、先週は2020年以来の水準まで低下した。

出典:Google Trends

地域別に見ると、ビットコインの検索人気はナイジェリアからが最も高く、次いでエルサルバドル、オーストリアとなっている。ただし前述したように絶対的な検索数ではなく、これらの地域においてビットコインが他のキーワードよりも多く検索されたことを意味している。ナイジェリアでの検索数がアメリカの検索数よりも多いことを示しているわけではない。

DeFiやレイヤ−1に関心

ビットコインへの関心は明らかに低下しているが、一般の関心は、DeFi(分散型金融)トークンや、ソラナやアバランチなどのレイヤー1ブロックチェーンといった、暗号資産の新しい領域や市場に向いていると考えるアナリストもいる。

「ビットコインは何度も価格が上昇し、新規ユーザーにとって投資のハードルが高くなった」と暗号資産取引所KucoinのCEO、ジョニー・リュー(Johnny Lyu)氏はテレグラムでコメントした。

「だがその後、多くの新しい暗号資産、いわゆるアルトコインが登場し、ユーザーにとって、より魅力的な投資対象になり得ている」

リュー氏は、ミームコインの台頭と人気が、ユーザーの関心をビットコインから徐々にシフトさせたと付け加えた。

クロスチェーン・ソリューションを手がけるEVODeFiのエグゼクティブ・ディレクター、エゴール・ボロコビッチ(Egor Volotkovich)氏も同意見。「DeFi、NFT、ブロックチェーンゲーミングは、現在、投資家を広く魅了している分野だ」と同氏は述べた。

「個人投資家は、ブロックチェーンエコシステムが現在前面に押し出しているこれらの新しいイノベーションを探ることに関心を示している。それが現在と過去2年の価格差に関係なく、検索トレンドが減少していることの理由」

個人投資家から機関投資家へシフト

一方、暗号資産取引所Matrixの社長、ヴァスジャ・ズーパン(Vasja Zupan)氏のように、検索データは機関投資家の関心を表していないと主張する人もいる。

「Googleトレンドは機関投資家や専門家の関心を反映していない。現在の価格は、純粋な個人投資家よりも、そうしたグループの関心と市場参入を反映していると考えている」と同氏はメールでコメントした。

「ビットコインの成熟化に伴い、強気サイクルのピーク時以外は個人投資家の影響は小さくなり、機関投資家需要の影響が大きくなっている」

米ソフトウエア企業のマイクロストラテジーや電気自動車大手のテスラなどは、過去2年間に数十億ドル相当のビットコインを購入している。これは2018年以前には見られなかったことだ。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Retail Interest in Bitcoin Is Dwindling, Google Data Suggests