ボラティリティがユーザーの広がりに影響:米シティ

暗号資産(仮想通貨)はピークを大きく下回っており、テラUSD(UST)の崩壊を受けたステーブルコインに関する懸念の高まりが、テザー(USDT)からの資金流出を招いていると米銀大手シティバンクは7日、レポートで述べた。これらの懸念が、暗号資産市場の下落をさらに悪化させた可能性があるという。

「ボラティリティがユーザーの広がりに影響を及ぼしている」と同行は述べ、暗号資産テラ(LUNA)が暴落した際に暗号資産の取引高とアクティブアドレスが急増したが、その後は以前のレベルに戻るか、さらに低くなっていると指摘した。

一方で「暫定的なデータは、取引高と先物ポジションの減少を示しているが、投資家の関心が全面的に低下しているわけではない」「暗号資産テラ(LUNA)の崩壊後、テザー(USDT)からの資金流出が懸念されたが、その後減速している」と同行は述べた。

一部の資金は、より「透明性が高く、中央集権的な」USDコイン(USDC)に流れ、一部は市場から完全に撤退したという。

またレポートによると、分散型金融(DeFi)のTVL(Total Value Locked)は米ドル建てでは減少しているが、特にテラUSD(UST)とテラ(LUNC)の崩壊に伴い、レンディングプロトコルのアンカー(Anchor)で失われた価値を考慮しても、イーサリアム建てでは安定しているという。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Citi Says Crypto Market Volatility Has Affected User Adoption