暗号資産の業界団体が金融庁に要望書、ソラナのウォレットでハッキング【7/30~8/5のトップニュース】

「サングラスをかけ直していたときに、ウォレットからすべてのソラナを送信したという通知を受け取った」とユーザーの@gostak_gmは語った──今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。

アップル、メタバースを阻害:専門家

米アップルはメタバースの発展を阻害している可能性があると、ベンチャーキャピタルEpyllionのマネージングディレクターで「THE METAVERSE: And How It Will Revolutionize Everything」の著者マシュー・ボール(Matthew Ball)氏は7月28日、CoinDesk TVで語った。

暗号資産ファンド、5週連続の資金流入──7月は今年最大の流入額に

暗号資産ファンドは、コインシェアーズが8月1日に発表したレポートによると、7月29日までの1週間で8100万ドル(約106億円)、5週連続の資金流入となった。7月の合計4億7400万ドルの流入は今年最大の月間流入額となり、6月の4億8100万ドルの流出から一転した。

イーサリアム、オプション市場で初めてビットコインを上回る

イーサリアム(ETH)がオプション市場でビットコイン(BTC)を初めて上回った。

8月1日時点、大手暗号資産デリバティブ取引所Deribit(デリビット)でのイーサリアムオプションの建玉は57億ドル、一方、ビットコインオプションの建玉は43億ドルで、イーサリアムがビットコインを32%上回った。Deribitは世界最大級の暗号資産オプション取引所で、取引高と建玉の90%以上を占めている。

米コインベース、イーサリアムのステーキングサービスを機関投資家に提供

米暗号資産取引サービス大手Coinbase(コインベース)の機関投資家向けサービス「Coinbase Prime(コインベース・プライム)」は、米国内の機関投資家向けに取り扱いを拡大しているステーキングサービスにイーサリアム(ETH)を追加したと、同社が8月1日、ブログで述べた。

マイニング装置が休止状態のなか、融資を260億円に拡大:Marathon Digital Holdings

ビットコインマイニングのMarathon Digital Holdings(マラソン・デジタル・ホールディングス)は8月2日のプレスリリースによると、数千台のマイニング装置が休止状態にあるにもかかわらず、Silvergate Bank(シルバーゲートバンク)からの1億ドルの与信枠の借り換えを行い、同行からの融資をさらに1億ドル追加した。

アメックス、NFTプラットフォームに12億円出資

サステナビリティに注力したNFTプラットフォーム「OneOf」は、アメリカン・エキスプレスのベンチャーキャピタル部門Amex Ventures(アメックス・ベンチャーズ)などから戦略的資金調達ラウンドで840万ドル(約11億5000万円)を調達した。プレスリリースによると、アメックスはOneOf NFTを使った期間限定イベントを開催するという。

ティファニー、人気NFT「CryptoPunk」のネックレス──保有者向けに30イーサで販売

ティファニーは、人気NFTコレクション「CryptoPunk」の保有者を対象に、特注のペンダント250個を30イーサリアム(ETH)、およそ5万ドル(約680万円)で販売する。

販売は8月5日から。CryptoPunkの保有者のみが現物のペンダントと交換可能なNTFを購入できる。完売すれば1200万ドル(約16億4000万円)以上の売上となり、NFTが再販されればさらに利益をあげることができる。

SBI VC:ソラナ、ドージ、カルダノなど5種類の取り扱い開始へ

暗号資産(仮想通貨)取引サービスを手がけるSBI VCトレードは、8月17日から新たに5種類の通貨の取り扱いを開始する。

SBIグループ傘下のSBI VCは8月1日、カルダノ(ADA)、ドージコイン(DOGE)、ステラルーメン(XLM)、テゾス(XTZ)、ソラナ(SOL)の5銘柄の取り扱いを始めると発表した。同社が提供する現物取引(販売所取引)、貸暗号資産、積み立てサービスに追加される。

20億ドルがクロスチェーン・ブリッジから流出:チェイナリシス

ブロックチェーン分析会社のChainalysis(チェイナリシス)は、今週発生した1億9000万ドル(約255億円)のNomadブリッジのハッキングを含め、2022年現時点までに20億ドル(約2680億円)相当の暗号資産がクロスチェーン・ブリッジから盗み出されたと見積もっている。

同社は8月2日、クロスチェーン・ブリッジのセキュリティ脆弱性を評価するレポートを発表、このタイプのハッキングは今年ハッキングによって盗まれた暗号資産の69%を占めているという。

Alchemy、Astar Networkと提携──ポルカドットでのWeb3開発をサポート

Web3開発者向けプラットフォームのAlchemy(アルケミー)は8月2日、渡辺創太氏が率いる日本初のパブリックブロックチェーンで、ポルカドット(Polkadot)のパラチェーンにも選ばれているAstar Network(アスターネットワーク)をサポートすると発表した。

開発者は、アルケミーのAPIを通してアスターネットワーク上でWeb3プロジェクトを構築できるようになると、アルケミーのプロダクトマネージャー、マイク・ガーランド(Mike Garland)氏は語った。

ソラナのNFTプラットフォーム「Magic Eden」、イーサリアム対応を発表

ソラナブロックチェーンを基盤とするNFTプラットフォームのマジックエデン(Magic Eden)は8月2日、イーサリアムベースのNFTにも対応できる「マルチチェーン化」を進めると発表した。

また、同社は独自のクロスチェーン分析ダッシュボードの開発を進めると共に、イーサ(ETH)とソラナ(SOL)のいずれの暗号資産(仮想通貨)を利用しても双方のNFTを購入できる「クロスカレンシー取引」を開発していると述べた。

ソラナのウォレットで500万ドルのハッキング被害──攻撃は現在も進行中

ソラナ(Solana)のエコシステムからハッキング被害が報告されている。Phantom(ファントム)、Slope(スロープ)、Trust Wallet(トラストウォレット)など、人気ホットウォレットから、知らない間に暗号資産が流出したとユーザーが報告している。

これまでに複数のソラナアドレスがこのハッキングに関与しており、無防備なユーザーのウォレットから少なくとも500万ドル(約6億6000万円)相当のソラナ(SOL)などを流出させている。攻撃は現在も進行中だ。

米Microstrategy、ビットコイン下落で約1200億円を減損──セイラー氏はCEO退任、エグゼクティブ・チェアマンに

米MicroStrategy(マイクロストラテジー)は8月2日、第2四半期決算を発表。ビットコイン(BTC)保有による減損費用として9億1780万ドル(約1200億円)を計上、第1四半期の1億7010万ドル、2021年第2四半期の4億2480万ドルから減損をさらに拡大させた。

また同社は、マイケル・セイラーCEOの退任を発表、後任として同社社長フォン・レ(Phuong Le)氏を指名したと発表した。1989年の創業以来、CEO兼取締役会会長を務めてきたセイラー氏は、引き続き会長を務めるとともに、新たにエグゼクティブ・チェアマンに就任する。

ソラナのハッキング、原因は「Slope」ウォレットの可能性

ソラナ(Solana)ブロックチェーンの開発者は、デジタルウォレット「Slope(スロープ)」が、9000以上のホットウォレットから数百万ドル相当の暗号資産が盗まれたハッキングの原因かもしれないと語った。ハッキングはまだ解決されていない。

ハッキングから2日目の8月3日朝、ソラナ財団が運営するアカウント、Solana Statusは「ハッキングはソラナブロックチェーンのコアコードのバグではなく、ユーザーに人気の複数のソフトウェアウォレットで使われているソフトウェアのバグのようだ」とツイートした。

米ロビンフッドCEO、FTXによる買収を否定

投資アプリを手がける米ロビンフッド・マーケッツ(Robinhood Markets)のブラッド・テネフ(Vlad Tenev)CEOは8月3日、同社が大手暗号資産取引所FTXの買収ターゲットになるのではないかとの憶測を否定した。2021年の上場以来、同社の株価は約4分の1まで下落している。

ゲーム、7月のユニーク・アクティブ・ウォレットの60%を占める:DappRadar

Dapp(分散型アプリ)の総合情報サイト、DappRaderは8月3日、Dapp業界の7月の動きをまとめたレポートを発表。ブロックチェーンゲームは業界の中で際立つ動きを見せた。

「DeFi(分散型金融)およびブロックチェーン全体の動きは低下傾向にあるが、ゲームのUAW(ユニーク・アクティブ・ウォレット)は増加を続け、1日あたりのUAWはほぼ100万に達している」とDappRadarのリサーチ責任者、ペドロ・エレーラ(Pedro Herrera)氏は述べた。

市場低迷でもWeb3開発は堅調:VCレポート

オーストラリア最大の通信会社テルストラのVC部門、テルストラベンチャーズ(Telstra Ventures)は、ステーブルコインterraUSD(UST)の崩壊、暗号資産レンディング企業セルシウス(Celsius)の破産申請、暗号資産ヘッジファンドのスリー・アローズ・キャピタル(Three Arrows Capital)の清算によって引き起こされた弱気相場にもかかわらず、ブロックチェーン開発者のWeb3への関心は依然として堅調とするレポートを発表した。

暗号資産の業界団体、税制改正求めて金融庁に要望書

現行の税制度が日本の暗号資産(仮想通貨)取引市場の成長を妨げ、ブロックチェーンを活用して開発を進めようとする優秀なエンジニア人材や起業家が海外に流出する問題を巡って、国内の業界団体が税制の改正を求めて要望書を金融庁に提出した。

日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)と日本暗号資産取引業協会(JVCEA)は8月3日、「暗号資産に係る2023年度税制改正要望書」を7月29日に金融庁に提出したことを明らかにした。

コインチェック:Q1収益は75%減、NFT事業は堅調

暗号資産(仮想通貨)とNFTの取引サービスを展開するコインチェックは、第1四半期(4月~6月)の営業収益が前年同期から75%減少したと発表した。

マネックスグループが8月3日に開示した決算報告書によると、同グループ傘下のコインチェックは、4~6月期の営業収益として31.62億円を計上。前年同期の127.39億円から大幅減となった。

一方、NFTの取引サービスを含む「その他事業」の収益は、前年同期の5.67億円から8.18億円に増加。コインチェックは、NFTを活用したメタバースゲームの「The Sandbox」と「Decentraland」で、メタバース上の都市開発を加速化して、NFT事業の収益拡大を図っている。

世界最大の資産運用会社ブラックロックと米コインベースが提携──機関投資家向けサービスを強化

世界最大の資産運用会社、米BlackRock(ブラックロック)は、暗号資産取引大手の米Coinbase(コインベース)と提携、機関投資家が直接、暗号資産を利用できるようにしていく。

8月4日のコインベースのブログによると、両社は、コインベースの機関投資家向けサービス「Coinbase Prime」と、ブラックロックの投資運用プラットフォーム「Aladdin(アラジン)」を結び、機関投資家向けに暗号資産取引、カストディ、プライムブローカレッジ、レポート機能を提供するという。

大口トレーダー、ビットコインに超強気:調査

シカゴに拠点を置き、機関投資家や大口取引を行う企業と売買を行うマーケットメイキング会社のCumberland(カンバーランド)は顧客を対象に調査を行い、大口トレーダーには楽観的な見方が多いことを明らかにした。

平均的な回答者は、価格低迷が完全に終わったとは考えておらず、ビットコインは現在の約2万3500ドルから1万6000ドルまで下がると考えているが、大きな反発を予想しており、今年中に3万2000ドルまで上昇すると考えている。

米ブロック、予想を上回る第2四半期売上──ビットコイン売上は減少

フィンテックとデジタル決済大手、Block(ブロック、旧スクエア)は8月4日、第2四半期決算を発表、売上高はアナリスト予想を上回ったが、ビットコイン(BTC)関連売上は減少した。

FactSetによると、第2四半期の売上高は44億ドル、アナリスト予想の43億ドルを上回った。前年同期比ではビットコイン関連売上が減少したことで、6.6%減となった。

フィナンシェが7.7億円を調達、トークン型クラファン事業を拡大

ブロックチェーンを基盤技術に、トークン型クラウドファンディング事業やNFT事業を展開するフィナンシェが、7億7000万円の資金を調達した。

フィナンシェが8月5日に発表した内容によると、今回の調達ラウンドには既存株主のB Dash ベンチャーズの他に、MTG Ventures、Headline Asia、(Infinity Ventures Crypto)、アミューズ、Dawn Capital、W venturesなどが参画。フィナンシェが調達した資金は13億円に達した。

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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