米国企業、ビットコインの次世代技術“ライトニングネットワーク”の監視ツールを開発

ビットコイン決済の未来と考えられているライトニングネットワークをモニタリングすることが、少し容易になった。

ビットコイン向けのスケーリング技術「ライトニングネットワーク」の開発を行う米ライトニング・ラボ(Lightning Labs)は2019年7月24日(現地時間)、新しいネットワーク分析ツール「Lndmon」を発表した。同ツールによって、ライトニングネットワークのユーザーは自身のノードとネットワークの状態に関するデータを引き出すことができる。同ツールは、手数料やライトニング決済をするためにユーザーが開設した「チャネル」など、ネットワークのさまざまな側面をカラフルなグラフで表示する。

これは、同ネットワークを最も安全な方法で利用するために必要な「ライトニングノード」を立ち上げているユーザーの役に立つ。Lndmonは、たとえそれがルーティングノードを立ち上げて、少しお金を稼ごうとしているユーザーであろうと、ノードやネットワークについてもっと知りたいと思っているだけのビットコイン愛好家であろうと、ユーザーに自身のノードで何が起こっているのかをより具体的に可視化した情報を提供する。

ライトニング・ラボのソフトウエアエンジニアで、今回のプロジェクトを率いたヴァレンタイン・ウォレス(Valentine Wallace)氏はブログ上で、以下のように説明している。

「ここ1年でネットワークが成長した中、そのオブザーバビリティ(観測可能性)とルーティングノード運用者が使いやすい管理用ツールに対するニーズとの間にギャップがあることに気がつきました」


そのようなツールがあれば防げていたかもしれない、ネットワーク上の問題もあったとウォレス氏は述べている。「今年、そうした適切なツールがなかったため、P2P(ピアツーピア)ネットワーク上のある問題が、害を及ぼすまで発見されませんでした」

そのためLndmonは「ユーザーがトレンドをモニタリングし、予防的処置を取ることを可能にすることで、問題防止に役立つ」ことができる、とウォレス氏は考えている。

しかし、問題を検知することだけが目的ではない。グラフを見ることで、ユーザーは自分の支払い履歴をより良く把握することができ、支払いをする際に最も少額の手数料で済ませる方法を見出すことにも利用できる可能性がある。

このツールは、少なくとも開発者にとっては使いやすいと想定されている。ユーザーがノードを立ち上げたら、さらに数段階踏むだけで、自身のLndmonダッシュボードも稼働できる。

ライトニング・ラボは、より多くのライトニングネットワークデータをサポートし、ユーザーが知りたいことが起こった際に通知が届くような設定を可能にするなど、このツールを拡張していく計画だ。

翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:Lightning Labs CEO Elizabeth Stark via CoinDesk archives 
原文:Lightning Labs Designs Monitoring Tool for ‘Layer 2’ Bitcoin Network