ビットコイン、ドミナンス低下とともに他の暗号資産との相関関係も低下:レポート

ビットコイン(BTC)は、マクロ経済環境や政治情勢の悪化にもかかわらず、ライバルのパフォーマンスを下回っていると投資会社バーンスタイン(Bernstein)は9月7日のレポートに記した。ビットコインは従来、マクロ経済環境や政治情勢の悪化のリスクをヘッジするものと言われていた。

インフレ率の上昇、ロシアのウクライナ侵攻、景気後退(リセッション)懸念などにもかかわらず、ビットコインはイーサリアム(ETH)に対して相対的に弱くなっている。2つの暗号資産の時価総額の比率は、2016年の20倍から約1.9倍にまで縮小しているという。

「人々が価値保存を必要とする非常に厳しいマクロ経済環境においてさえ、ビットコインは依然としてうまく持ちこたえていない」とアナリストのゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏とマヌス・アグラワル(Manus Agrawal)氏はレポートに記した。

イーサリアムの時価総額のみならず、ステーブルコイン、競合するレイヤー1ブロックチェーンの成長によって「暗号資産エコシステム全体におけるビットコインのドミナンスは常に低下している」。

これは、暗号資産が「マクロ経済的な資産クラスというよりも、イノベーション主導的な構造的トレンド」になっているというアイデアを裏付けているとレポートは述べた。

バーンスタインは、ポストコロナ時代に株式市場との相関関係が強まっているため、この数四半期、ビットコインはインフレヘッジとして機能していないと指摘。暗号資産は「リスクとリターンのマトリックスで高い位置にあり」、各国の中央銀行が金融政策を緩和し、リスク資産の需要が高まったときに暗号資産への資金流入が増加したと付け加えた。

ビットコインはマクロ経済主導の暗号資産であり続け、その他の暗号資産はテクノロジーあるいはイノベーション主導のデジタル資産と見なされるようになるという。ビットコインのドミナンスが低下しているなか、ビットコインと他の暗号資産の相関関係も低下するとレポートは述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Bernstein: Bitcoin’s Correlation With Other Tokens Will Weaken as Its Dominance Declines