ナスダック、暗号資産カストディ開始へ──機関投資家需要を狙う

米証券取引所ナスダック(Nasdaq)が暗号資産(仮想通貨)カストディサービスを開始する。機関投資家からの需要を取り込むことが目的だ。同社が9月20日、プレスリリースで明らかにした。

暗号資産取引所ジェミニ(Gemini)でプライムブローカレッジサービスを担当していたアイラ・アウアーバック(Ira Auerbach)が新しいデジタル資産部門の責任者に就くという。

今回のナスダックの動きをはじめ、ウォール街全は暗号資産への取り組みを強めている。8月、世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)は機関投資家に暗号資産を提供すると発表、米株式市場のほぼすべての取引を処理するDepository Trust & Clearing Corp.は決済を迅速化するための独自ブロックチェーンを発表した。

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「デジタル資産に関わる機関投資家の需要はここ数年増加しており、ナスダックは幅広い普及を加速し、持続的な成長を促進するための絶好のポジションにある」とナスダックの北米市場責任者タル・コーエン(Tal Cohen)氏はリリースで述べている。

ナスダックのカストディサービスは、暗号資産取引大手のコインベース(Coinbase)や暗号資産カストディアンのアンカレッジ・デジタル(Anchorage Digital)、ビットゴー(BitGo)と競合することになる。

ブルームバーグによると、アウアーバック氏は短期的には買収計画はないが、暗号資産ネイティブ企業との連携についてはオープンと述べたという。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Nasdaq Starts Crypto Custody Service for Institutional Clients