ドメイン名「.bank」、仮想通貨企業による利用が禁止されるかもしれない

仮想通貨企業は、「.bank」および「.insurance」というドメインの利用を禁止されるかもしれない。

ドメイン・ネーム・システム(DNS)レジストリのfTLDレジストリサービス(fTLD Registry Services)は、一般的なバンキング「サービス提供企業」にによる.bankや.insuranceなどのドメイン名利用を制限することを検討していると発表した。.bankのドメイン名申請をする仮想通貨企業が増加しているとされる中、この案は打ち出された。

.bankは本来、政府規制を受けるリテールバンク、貯蓄組合、国立銀行、銀行持株会社のために確保されたものである。

しかし、fTLDのコンプライアンス・ポリシー担当ディレクターであるヘザー・ディアズ(Heather Diaz)氏は米オンラインメディアのマッシャブル(Mashable)に対し、次のように述べている。

「最近では、特にP2P決済プロバイダーや仮想通貨企業などの金融商品・サービスを提供するフィンテック関連分野で、金融サービス領域は発展してきている。そんな中、一部の潜在的な登録者が、規制対象組織や消費者に対してマーケティングする際の正当性を高めるためにドメイン名を求めていることがわかった」

以前の制限を復活させることで、fLTDは「これらの信頼される領域をより安全に」しようとしていると同氏は述べた。奇妙なことに、fLTDは、仮想通貨企業による、.bankドメイン名申請を受け入れたことはないとも同氏は述べている。

ドメイン名ホスティング費用は年間およそ1000ドル(約10万6000円)だそうだ。

凍結対象に含まれる可能性があるのは、P2P決済事業者、送金事業者、マイクロローン事業者。同社は規制を正式に施行しておらず、8月24日までパブリックコメントを受け付けている。

今年7月、レジストラ(ドメイン名登録事業者)のエンサーカ(EnCirca)は、.ethドメイン名登録を代行するイーサリアム・ネーム・サービス(ENS)を立ち上げた。fTLDのデータによると、.bankドメインの61%は、エンサーカによって登録されている。

翻訳:新井朝子
編集:町田優太
写真:Domain names via Shutterstock
原文:Crypto Companies May Lose Access to ‘Service Provider’ Domain Names