破綻懸念が広がるなか、暗号資産取引所は「プルーフ・オブ・リザーブ(第三者による残高確認)」を急ぐ

暗号資産(仮想通貨)取引所は今、準備金の検証と公表に向けて奔走している。FTXの流動性問題の影響を受けて、投資家の間に取引所の破綻懸念が広がっているためだ。

過去24時間で7つの暗号資産取引所──バイナンス(Binance)、ゲートアイオー(Gate.io)、クーコイン(KuCoin)、ポロニエックス(Poloniex)、ビットゲット(Bitget)、フォビ(Huobi)、オーケーエックス(OKX)がそれぞれ、透明性を高めるために「マークルツリー・リザーブ・サーティフィケート(Merkle tree reserve certificates)」を公開するという声明を発表した。

マークルツリーは、コンピューターサイエンスのアプリケーションで使用されるデータ構造。ビットコイン(BTC)などの暗号資産では、ブロックチェーンのデータを効率的かつ安全に記号化(エンコード)し、格納する役割を担っている。「バイナリーハッシュツリー」とも呼ばれる。

マークルツリーを使うことで、暗号資産取引所は各ユーザーの資産を記録することができる。マークルツリー・リザーブ・サーティフィケートでは、マークルツリーに記録された資産を第三者が監査し、検証する。

バイナンスの創業者兼CEO、チャンポン・ジャオ氏は、FTX買収に合意したことを受け、業界各社に「プルーフ・オブ・リザーブ(proof-of-reserves:第三者による残高確認)」を行うよう促していた。

すべての暗号資産取引所は、マークルツリー・プルーフ・オブ・リザーブを行うべき。

銀行は部分準備金で運営されている。
暗号資産取引所は、そうすべきではない。

バイナンスは、プルーフ・オブ・リザーブをまもなく開始する。完全な透明性だ。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Jason Dent/Unsplash
|原文:Crypto Exchanges Scramble to Compile ‘Proof-of-Reserves’ as FTX Contagion Grips Markets