ビットコイン、週足チャートで初の「デスクロス」迫る

テクニカルチャートで強気の手掛かりを探しているビットコイン(BTC)トレーダーにとって、事態はまもなく悪い方向へ向かう可能性がある。

ビットコインの50週単純移動平均線(SMA)は急速に下落し、史上初めて200週SMAを下回ることになりそうだ。

テクニカル分析によると、しばしば「デスクロス」と呼ばれる2つの平均線の弱気な交差は、市場が大きな下落に向かうことを意味している。

ビットコインは2021年11月に史上最高値6万9000ドル付近を記録して以来、約75%下落している。今回の弱気相場は、売り手が200日SMAの下に足場を築くことができなかった以前の弱気相場よりも厳しいことを証明している。

テクニカル分析を批判する者は、日足チャートや週足チャートでデスクロスが発生するかどうかに関係なく、チャートは遅行指標であり信頼性に欠けると言うだろう。確かにテクニカル分析は、資産の過去のパフォーマンスを反映している。

ビットコインの週足チャートでは、13年の歴史で初めてとなるデスクロスが迫っている(TradingView/CoinDesk)

デスクロスは、従来の金融では、売り手を市場の間違った側に閉じ込めるという悪評があり、過去にはビットコインのトレーダーにも起きている。例えば、2020年3月の日足チャートのデスクロスは価格の大底を示すものだった。

デスクロス、どう解釈するか

経験豊富なトレーダーは、他のチャート要素や基本的な指標と組み合わせてデスクロスを解釈しており、ビットコインの次の動きについては意見が分かれている。

暗号資産調査会社デルファイデジタル(Delphi Digital)によると、FTX崩壊後、ビットコインは1万6500ドルから1万7300ドルのレンジで取引されており、強気派はほとんど希望が持てないという。

アンドリュー・クローン(Andrew Krohn)氏率いるデルファイのストラテジストは顧客向けメモに「このエリアには構造的なサポートがあまりないと考えており、さらなる影響拡大と不確実性に直面して、我々は9000ドルから1万3000ドルの水準を注視しながら慎重さを保っている」と記した。

2023年前半には、複数のマイニング事業者や暗号資産の発行者が破綻し、ビットコインを1万2000ドル以下に押し上げる可能性がある。さらに、FRB(米連邦準備制度理事会)が景気刺激策に反対する姿勢を崩していないことから、最も抵抗の少ない道筋は下向きだと思われる。

とはいえ、過去にビットコインは半減期の15カ月前に底を打ち、上昇を開始したことがある。

次のビットコイン半減期は2024年3月から4月だ。歴史に従うなら、ビットコインの弱気相場は11月の1万5473ドルで終了し、半減期を前に6万3000ドルまで上昇する可能性もある。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin Few Weeks Away From Its First Weekly Chart ‘Death Cross’