シルバーゲート、従業員40%を削減──ディエム資産を使ったデジタル通貨発行も中止

暗号資産に特化した銀行であるシルバーゲート・キャピタル(Silvergate Capital)は、全従業員の40%にあたる約200人の削減を1月5日、SEC(米証券取引委員会)への提出書類で明らかにした。このニュースを受け、同社の株価は46%下落、11.76ドル付近となった。

同社はまた、デジタル通貨の発行計画を中止し、メタ(Meta、旧フェイスブック)からディエム協会(Diem Association)の技術や資産を購入するために費やした1億9600万ドル(約260億円)を損金処理した。

ディエム協会は2022年2月、シルバーゲートが同社の資産と技術を買い取ると発表していた。

「(2022年)第4四半期(10-12月期)のデジタル資産業界の急激な変化に対応し、潜在的な預金流出に対応できる現金の流動性を確保するために相応の措置を取った。現在、当社はデジタル資産関連の預金を上回る現金ポジションを維持している」とアラン・レーン(Alan Lane)CEOはプレスリリースで述べた。

厳しいマクロ経済環境と、暗号資産市場の低迷が大きな要因だが、それでもSilvergate Exchange Networkは第4四半期、1日の平均取引高が13億ドルとなり、第3四半期の12億ドルから増加していた。

しかし第4四半期にはデジタル資産関連の預金81億ドルが流出。預金は第3四半期の119億ドルから、第4四半期には38億ドルまで減少した。

「デジタル資産業界は大きな転換期を迎えている。大幅なオーバーレバレッジにより、複数の著名企業が破綻し、業界全体に信用危機が生まれた。業界の多くがリスクオフにシフトしている」とレーンCEOは述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Silvergate Cuts 40% Jobs, Writes Off Diem Asset Acquisition