最近の暗号資産市場の上昇は、平均値への回帰:レポート

最近の暗号資産(仮想通貨)市場の強さは、おそらく平均値への回帰によるものだと投資会社のバーンスタイン(Bernstein)は1月23日のレポートで述べ、時価総額で最大の暗号資産であるビットコイン(BTC)が2022年に65%以上下落したことに言及した。平均回帰とは、資産の価格が長期的な平均値や平均的な水準に回帰する傾向があるとする、金融で用いられる理論だ。

バーンスタインによると、暗号資産の平均回帰はまだ続く余地があるため、現在のレベルで弱気になることに注意するよう助言している。そして、ビットコインはその歴史において、2年連続でマイナスのリターンを記録したことはないと付け加えた。

暗号資産取引所FTXと暗号資産ブローカーのジェネシス(Genesis)の破産申請はネガティブなニュースだが、「流動的な暗号資産市場に潜在するオーバーハングが後退した」とレポートは述べている。売り圧力の多くは、流動性の低いプライベートな暗号資産にあったという。

グレースケール・ビットコイン・トラスト(Grayscale Bitcoin Trust:GBTC)の即時売却のリスクも、債権者とグレースケール、ジェネシス、米Coindeskを所有するデジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group:DCG)が和解交渉を行う中で後退し、現在すべての状況が裁判所の管理下にあり、「暗号資産市場は、強制売りのシナリオからある程度解放されているように見える 」という。

しかし、バーンスタインのアナリスト、ゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏とマヌス・アグラワル(Manus Agrawal)氏は、これはより多くの「暗号資産(傍流のステーブルコイン)の内部資本が展開されている」ので、持続的な価格上昇の開始である可能性は低いとしている。

「この上昇を維持するための新しい資本配分はまだ見られない」

個人投資家に暗号資産の取引を許可しようとしているという香港のニュースも、暗号資産市場のポジティブなセンチメントに寄与しているとレポートは付け加えている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bernstein: The Bounce in Cryptocurrencies Is a ‘Mean Reversion’ Rally