ビットコイン、2万4500ドル超を維持──クレディ・スイスの経営不安緩和

ビットコイン(BTC)は16日、2万4500ドル以上で推移した。経営不安が広がるクレディ・スイスに対して、スイス国立銀行(中央銀行)が500億スイスフラン(約540億ドル、約7兆3000億円)の資金供給に合意して危機回避に乗り出し、米連邦準備制度理事会(FRB)が次の利上げに関してハト派に転じる期待が高まるなど、市場に安心感が広がった。

CoinDeskのデータによると、ビットコインは当記事執筆時点、24時間で1.4%上昇、2万4,790ドル付近。14日午後以降、2万4000ドルと2万5000ドルの間で大きく変動している。アメリカの銀行セクターと、FRBが利上げ姿勢を一時停止する可能性があるとの市場の楽観論が再燃するなか、ビットコインは1週間で19%上昇している。

利上げの予測ツールであるCME FedWatchは、15日は0%の利上げの可能性を45%と予測していた。現在は0.25%引き上げの確率が80.5%となっている。いずれも、0.5%利上げの可能性を68%としていた先週とはきわめて対照的だ。

「ビットコインのレジスタンス(回復力)は、ビットコインはもはやインフレヘッジではないことは明確だが、金融の無責任さに対するヘッジであることは確かであることを示した」とシンガポールの暗号資産オプション取引企業のQCP Capitalは述べている。

イーサリアム(ETH)は24時間で2%上昇して、1690ドル付近。時価総額4位の暗号資産バイナンスコイン(BNB)は、前日の300ドル付近から7%上昇して、328ドル付近。インデックスプロトコルのThe Graph(グラフ、GRT)は13%上昇。

暗号資産市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Index(CMI)は、2%上昇した。

株式市場も上昇した。S&P500は1.2%、ナスダックは1.8%、ダウ平均は0.7%上昇。一方、欧州中央銀行(ECB)はヨーロッパでインフレ率が上昇するなか、金融引き締めを続け、16日に0.5%の利上げを行った。

QCP Capitalは、ECBの動きをFRBが0.25%の利上げを行う前兆と見ている。

「過度なハト派姿勢は、FRBが何かを隠しているとの恐怖を市場に与え、(利上げの)一時停止はインフレについてのメッセージを混乱させることになるだろう。各国の中央銀行は、インフレと戦い続ける一方で、問題を抱えた金融機関の影響が広がることを防ぐことに別途取り組むことになるだろう」とQCP Capitalは述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk/Highcharts.com
|原文:Bitcoin Holds Steady Above $24.5K as European Banking Crisis Eases