分散型レンダリングサービスのトークン「RNDR」、ナスダックに連動して上昇

分散型レンダリングサービスRender Networkのユーティリティトークン「RNDR」は5月、テクノロジー株と同期して上昇し、暗号資産市場全体の小康状態に逆らった。

TradingViewのデータによると、RNDRは6.5%上昇して2.55ドルとなった。今月初めには13カ月ぶりの高値となる2.93ドルを記録している。ウォール街のハイテク指数のナスダックは8%近く上昇している。一方、ビットコイン(BTC)はナスダックから乖離して5%下落し、すべての暗号資産の時価総額は3.5%下落した。

Decentral Park Capitalのポートフォリオマネージャー、ルイス・ハートランド(Lewis Harland)氏は「RNDRはここ数週間、ナスダックとの連動性が高かった」と5月26日のマーケットアップデートで述べ、人工知能(AI)のストーリーがハイテク株とRNDRの両方の上昇の要因になったと指摘した。

RNDR、ナスダック、全暗号資産時価総額の日足チャート(TradingView/CoinDesk)

1週間前、アメリカのチップメーカー、エヌビディア(Nvidia)は収益の急増を予測する一方で、ChatGPTや同様のサービスを動かすために使用される同社の人工知能(AI)チップの需要急増に対応するために供給を増やしていると述べていた。

それ以来、投資家はエヌビディアの株式や、RenderのRNDRのようなAIのストーリーに沿った資産へのエクスポージャーを増やすために躍起になっている。

「RNDRは、アップル(Apple)のエコシステムとの統合、メタバースへの関与、人工知能の統合、3Dレンダリング機能といった重要なストーリーが集約されているため、際立っている」と、暗号資産ファンダメンタルズアナリストのジェイソン・チョイ(Jason Choi)氏は、5月22日付の研究ニュースレターBlockcrunch VIPで述べた。

「ゲーム、メタバース開発、建築、アニメーション、プロダクトデザイン、拡張現実(AR)、最近ではAIツールなどの分野でGPUコンピューティングパワーの需要が急増すると予想される中、RNDRは3Dグラフィックスの作成に通常必要な高価なコンピューティング機器の代用になるかもしれない」とチョイ氏は付け加えている。

なお、RNDRは、アップルの仮想現実ヘッドセットがRender Networkの分散型グラフィックス処理ネットワークを利用するという憶測からも利益を得ている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:TradingView/CoinDesk
|原文:Blockchain-Based Render Network’s Token Tracks Tech Stocks as Broader Crypto Market Decouples