ビットコイン、マイナーの売りで伸び悩みか?
  • ビットコインのマイナーは、価格が3万ドルを超えるたびに残高を調整しているようだ。
  • ビットコイン価格はボリンジャーバンドの下限を下回った。

ビットコイン(BTC)の価格は先週の上昇から反落。取引高の低迷を受けて最近のレンジの下限である2万9700ドル(約415万8000円、1ドル140円換算)付近に戻った。

最近の市場の値動きの特徴は、何度も3万1000ドル水準の突破を試みるものの、価格が急速に反落することだ。理由の一つとしては、ビットコインのマイナーが価格上昇のタイミングで売りを入れていることが考えられる。これは、マイナーが資金を必要としていること、あるいは短期的にビットコインに対して弱気であること、またはその両方を示している可能性がある。また、注目すべきテクニカル指標が2つある。

ビットコインマイナーは弱気になったのか?

ビットコイン価格は今月のほとんどの期間で3万ドルを超えており、マイナーのネットポジションは減少している。ブロックチェーンデータ分析会社のグラスノード(Glassnode)によると、マイナーのアドレスのビットコイン保有量の30日間の変化は20日連続でマイナスとなっている。

4月10日から6月27日までは、ネットポジションが1日を除いて全日プラスだったこととは対照的だ。

この変化はセンチメントの変化を示しているのか、それとも単に資金難のマイナーが事業資金を得るために資産を売り込む必要があることを示しているのだろうか? おそらくどちらの要因もある。

ビットコインの年初来80%の上昇を考慮すると、ビットコインのマイナーが一部を利益確定させる可能性は十分考えられる。しかし、全体的な取引高は、大量の売却を示すほど多くはない。

さらに、マイナーの保有するビットコイン残高の総額は、1月1日の182万BTCに対して現在は183万BTCとなっている。これは、最近の活動が価格レベルを考慮したものではなく、単純に全体的なポジションのバランス調整である可能性を示唆している。

ボリンジャーバンドの下限を突破

最近の強気の事例では、6月14日にボリンジャーバンドの上値突破直後に価格が急上昇した。

現在の価格である2万9750ドルはボリンジャーバンドの下限である2万9800ドルをわずかに下回っており、今日の値動きは弱気の可能性がある。

3万ドル水準で重要なサポートラインが存在

新たな材料がなければ、ビットコイン価格は引き続き3万ドル水準付近で推移するように思われる。ビットコインの価格帯別の出来高プロファイルは、5月以来3万500ドルの水準でかなりの取引活動があることを示している。価格帯別の取引活動のレベルが高い場合、価格が安定する傾向がある。

|翻訳:CoinDeskJAPAN
|編集:林理南
|画像:Glassnode
|原文:Are Bitcoin Miner Sales Preventing Breakout to Higher Prices?