大手マイニング事業者は処理能力向上で大きな利益を得る:バーンスタイン

ビットコイン(BTC)マイニング事業者は大幅な能力増強を行っており、上場している大手16社が採掘されたBTC全体の16%を占めていると、投資会社のバーンスタイン(Bernstein)が8月3日の調査報告書で述べた。

バーンスタインによると、これらの企業の合計マイニング能力は現在、72エクサハッシュ/秒(EH/s)であり、今後2、3年で182%増加するという。

「生産コストが低く、負債が少ない大規模なマイナーは、ビットコイン価格の変動や2024年第1四半期の半減期によるコスト高騰に耐えられるまでに生産能力が拡大し、生産能力の追加による大きな受益者になる可能性が高い」とゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏率いるアナリストは書いている。

ビットコイン価格は現在3万ドル近辺にあり、15社の生産コストは1BTCあたり1万5000ドルを下回っているという。

「今後の半減により、生産コストは2倍になり、ここから価格が上昇しないと仮定した場合、数社のマイナーは損益分岐点まで追い込まれるだろう」とアナリストは書いている。

それでも、ビットコイン上場投資信託(ETF)の承認や機関投資家の採用の増加によって市場が前向きな勢いを見せれば、マイナーは2024年の半減に対して十分な「マージン」を得ることができると同報告書は指摘し、「生産コストが低ければ低いほど、ビットコイン半減の影響に対するマイナーのポジショニングは良くなる」と付け加えた。

バーンスタインは、マイナーのうち3社は負債資本倍率が1を超えており、ビットコイン価格の下落に耐える能力が低下していると指摘する。

そして、ライオット(Riot)、マラソン・デジタル(Marathon Digital)、Hut 8 Mining、Hive Digitalの4社は、貸借対照表にビットコインを保有している。これらの企業は価格の上昇を待ってから売却することができ、採掘した暗号資産でより大きな実現利益を上げることができると付け加えた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Eliza Gkritsi/CoinDesk
|原文:Bitcoin Miners Are Adding Significant Capacity: Bernstein