コインベース、分散型ウォレットにメッセージベースの暗号決済機能を追加

米暗号資産取引大手コインベース(Coinbase)は、自社の分散型ウォレットをアップデートし、ユーザーが低コストでメッセージアプリを通じて即座に送金できる機能を追加した。決済大手ペイパル(Paypal)と競合するような機能を追加することで、暗号資産(仮想通貨)の普及を拡大しようとしている。

この新機能により、顧客はiMessage、WhatsApp、TelegramなどのアプリやFacebook、Instagram、Snapchat、TikTokなどのソーシャルメディアプラットフォーム、または単に電子メールを通じて170カ国の他のコインベースウォレット保有者にリンクを送信し、資金の送受信が可能になるとコインベースがブログ投稿で発表した。

これにより、主に投資手段だった暗号資産は支払い方法として使用されるようになり、より幅広い層、特に遅延や銀行手数料、その他の関連コストなしで国際的に資金を送金したいと考えている層の間で暗号資産の普及を促進する可能性がある。こうした取り組みはコインベースだけではない。今年これより前に、Telegramの@walletボットにテザー(USDT)が追加され、ユーザーは時価総額で世界最大のステーブルコインをメッセージで交換できるようになった。

ナスダックに上場しているコインベースは、暗号資産の冬とアメリカ経済の低迷による激動の12カ月を経て、暗号資産市場の回復に伴い、株価が年初からほぼ300%上昇した。

今回の追加機能は、他の多くの企業、特に伝統的金融業界の大手企業が暗号資産エコシステムへの参入を進めている中で行われた。米証券取引委員会(SEC)は約1カ月以内に、ブラックロック(BlackRock)、フィデリティ(Fidelity)、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)などさまざまな企業が申請したビットコイン現物ETF(上場投資信託)を承認または却下する見通しとなっている。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Alpha Photo/Flickr
|原文:Coinbase Adds Message-Based Crypto Payments to Its Decentralized Wallet