半減期後の暗号資産市場はマクロ要因で動く:コインベース
  • 暗号資産市場は短期的にはマクロ要因で動くだろうとコインベースは指摘した。
  • これまでの半減期には、追い風として作用したビットコインエコシステムの他の材料が伴っていた。
  • ビットコインをマクロヘッジとして利用する投資家が増加したことで、今サイクルのボラティリティは低下したとコインベースは指摘した。

暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)は18日の調査レポートで、ビットコイン(BTC)が半減期を迎えた後のデジタル資産市場の方向性は、暗号資産のファンダメンタルズが依然として強いにもかかわらず、マクロ経済の要因で動く可能性が高いと述べた。

アナリストのデイビッド・ハン(David Han)氏は、「こうした要因は暗号資産にとって主に外因性のものであり、地政学的な緊張の高まり、長期金利の上昇、リフレーション、国家債務の増加などが含まれる」と指摘した。

ハン氏は、最近のアルトコインとビットコインの相関関係の高まりはこれを浮き彫りにしており、「この分野におけるビットコインのアンカー的な役割を示している。一方でビットコインはマクロ資産としての地位を固めている」と述べた。

過去の半減期は歴史的に強気相場のきっかけとなってきたが、「こうしたサイクル的な上昇には、さらなる追い風をもたらすエコシステムの他の材料が伴うことが多い」とレポートは指摘している。

暗号資産は主に「リスクオン」の資産クラスとみなされてきたが、コインベースは、「ビットコインの継続的な回復力と現物ETF(上場投資信託)の承認により、(特にビットコインに対して)二つの投資家層が形成された」としている。この二つとは、ビットコインを純粋に投機的資産とみなしている層と、ビットコインを「デジタルゴールド」であり、地政学リスクに対するヘッジとして扱う層だという。

ビットコインをマクロヘッジとして利用する投資家の増加が、今サイクルの反落の規模の縮小の一因になっているとレポートは指摘した。

ウォール街の大手ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)も先週のレポートで同様の見解を表明した。「広まっているマクロ状況を考慮すると、過去のサイクルや半減期の影響を推定することには注意が必要だ」としている。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Kyle Glenn/Unsplash
|原文:Crypto Markets Will Be Driven by Macro Factors Following the Halving, Coinbase Says