ビットコインは半減期後6万7000ドルに、アルトコインはショートスクイーズの兆候:ヘッジファンド
  • 反発は広範囲にわたり、過去24時間でCoindesk Market Indexのほぼすべての暗号資産が上昇した。
  • 一部のアルトコインとミームコインの資金調達率が大幅にマイナスに転じ、ショートスクイーズで急速に上昇する可能性があるとQCPキャピタルは指摘した。

暗号資産市場全体が上昇

22日の暗号資産(暗号資産)市場は上昇した。調整がより深刻になるのではないかとの懸念が和らぎ、ビットコイン(BTC)は6万7000ドル付近で推移している。

先週末に4年に一度の半減期を迎え、新規発行量が半分になったビットコインは過去24時間で3%以上上昇し、本記事執筆時点では6万6500ドル(約1030万7500円、1ドル155円換算)で推移している。イーサリアム(ETH)は3200ドル(約49万6000円)付近で安定していたが、同時期の上昇は1.5%で、遅れをとっている。

暗号資産の強さは広範囲にわたり、暗号資産市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Index(CMI)の173の構成銘柄のうち163銘柄がこの日に上昇を記録した。取引高上位の暗号資産のパフォーマンスを示すCoinDesk 20 Index(CD20)は、レイヤー1ブロックチェーンのニアプロトコル(Near Protocol)のネイティブトークンであるNEARの15%上昇を筆頭に、この日3%以上上昇した。

反発はデジタル資産関連株にも広がり、暗号資産取引所コインベース(Coinbase)とマイクロストラテジー(MicroStrategy)の株価はそれぞれ7%、12%上昇した。

上場マイニング企業のライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)とハット8(Hut 8)はこの日15%~20%急騰し、マラソン・デジタル(Marathon Digital)は6%上昇した。トランザクション(取引)が過熱したことで手数料の高騰が起き、マイニング企業にとってますます重要な収入源となったため、企業の収益向上への期待が高まった。

半減期後には強気の見通し

10xリサーチ(10x Research)の創設者であるマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は先週CoinDesk TVとのインタビューで、ビットコインの半減期は「強気のイベントではない」とし、今後数か月は市場が弱くなり、より深刻な調整が起こる可能性があると警鐘を鳴らしていた。主な理由は、マイナーが収益削減を受けてオペレーションを安定させるために50億ドル(約7750億円)相当の手持ちのビットコインを売却するであろうことだと同氏は説明した。

しかし、より長期的な見通しについては、過去3回の半減期ではイベントから約50~100日後にビットコイン価格が指数関数的に上昇したと暗号資産ヘッジファンドのQCPキャピタル(QCP Capital)が22日のマーケットアップデートで指摘した。このレポートでは、「今回もこのパターンが繰り返された場合、ビットコインの強気派はさらに大きなロングポジションを構築するまでにまだ数週間の猶予がある」とされている。

QCPキャピタルはまた、資金調達率(レバレッジを利用するデリバティブ取引トレーダーがポジションを維持するために支払う必要があるコスト)が非常に高い水準から冷え込み、一部の小規模な暗号資産では大幅なマイナスの数値にまでなっており、リスク選好が戻ってきた場合には迅速に上昇する機が熟していると指摘した。

資金調達率のヒートマップ(CoinGlass)

QCPキャピタルは、「短期的に生じる可能性があるのは、持続的なマイナスの資金調達率が見られるアルトコインとミームコインが主導するショートスクイーズだ。中には(年率換算で)マイナス100%に達するものもある」と指摘。「投機センチメントの改善により、ショートカバーやレバレッジを活用したロングの再開が起きる可能性がある」と述べた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Eyes $67K After Halving as Altcoins Primed for Short Squeeze, Hedge Fund Says