ビットコインは7万2000ドルに挑戦後、反落──FRB、米経済指標、世界的な利下げの流れで史上最高値を更新する可能性も
  • あるアナリストによると、暗号資産取引所でのビットコインの現物売りが価格の重しとなり、7万2000ドル付近でデリバティブのショートポジションが積み上がった。
  • アメリカの経済指標が軟調なことから、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では利下げの見通しがハト派になる可能性がある。

ビットコイン(BTC)は、7万2000ドル(約1116万円、1ドル155円換算)超えに挑戦する最近の値動きが6日に行き詰まったため、ますます狭いレンジで推移している。

CoinDesk Bitcoin Price Indexのデータでは、ビットコインは欧州中央銀行(ECB)の利下げを受けてこの日に7万1700ドルまで上昇したが、すぐに7万0000ドルを割りそうなほど下落した。その後、本記事執筆時点では7万600ドルまで反発しており、過去24時間で約1%の下落となった。

有名な市場アナリストのSkew氏は、暗号資産取引所バイナンス(Binance)とコインベース(Coinbase)での現物売りの動きと同時に、デリバティブ市場での永久先物契約のショートポジションが積みあがったことが価格の重しになっていると指摘した。

CoinGlassのデータによると、7万ドルと7万2000ドルの価格帯でレバレッジをかけたポジションが積みあがっており、狭いレンジからどちらかの方向にブレイクアウトした場合に清算が発生する可能性がある。

ビットコイン清算ヒートマップ(CoinGlass)

暗号資産市場全体が下落

暗号資産市場全体も下落しており、取引高上位の暗号資産のパフォーマンスを示すCoinDesk 20 Index(CD20)は過去24時間で1%下落した。ユニスワップ(UNI)、チェーンリンク(LINK)、ニアプロトコル(NEAR)は同期間に3%~5%下落した。

コスモスベースのブロックチェーン、インジェクティブ(Injective)のネイティブトークンであるインジェクティブ(INJ)は、全体的なトレンドに逆らって5%上昇した。インジェクティブをよりデフレにし、トークンバーンを通じて供給を減らすことを目的としたプロジェクトのトークノミクスアップデートが背景にある。

マクロ経済は有利に

ビットコインは7万2000ドルのレベルを超えるのに苦労しているが、マクロ環境がリスク資産に有利に転じているため、アナリストは史上最高値更新に向けての上昇方向へのブレイクが差し迫っていると予測している。

先進国の中央銀行は金融政策の緩和を開始しており、ECBとデンマーク中央銀行はどちらもこの日、ベンチマーク金利を25%引き下げた。カナダ銀行は今週これ以前に、スイスの中央銀行は3月に金利を引き下げており、これらに続く引き下げとなる。

今後の大きな問題は、米連邦準備制度理事会(FRB)が金利引き下げトレンドに加わるかどうかだ。FRBの一部のメンバーは、金融緩和は2025年の話になる可能性があると示唆しているが、最近のデータはインフレと経済成長の両方での軟化を示している。明日7日には政府の5月の雇用統計が発表されるが、その数字が弱ければ、FRBがすぐに利下げを行う可能性が高まるだろう。

そして、今月は最新のインフレデータの発表も予定されている。QCPは市場アップデートで、「来週のCPI(消費者物価指数)発表は、ビットコインの史上最高値更新のきっかけになる可能性がある」とし、「市場が利下げを織り込むことで、上昇の勢いが強まる可能性もある」と指摘した。

投資銀行スタンダードチャータード(Standard Chartered)の外国為替・デジタル資産リサーチ責任者のジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏は6日のレポートで、年末までのビットコインの価格目標は15万ドルと改めて表明し、今後数日間で史上最高値を更新するブレイクが起きる可能性を指摘。「明日の雇用統計が好調であれば、週末には史上最高値を更新すると予想する」と述べた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Falls Back After Attempt at $72K, but Fed, U.S. Data and Global Rate Cuts May Bring New All-Time Highs