- コインベースがイーサリアムネットワークとベースネットワーク上で独自のラップドビットコイン「cbBTC」を導入した。これによって、ユーザーがビットコインをDeFiアプリケーションで使用できるようになった。
- cbBTCは、様々なDeFiサービスの取引、貸付、担保に対応しており、コインベースユーザーがこの2つのネットワークとの間でビットコインのやり取りをする際に自動変換される機能がある。
- コインベースは、ラップドビットコイン市場に参入し、既存のトップであるビットゴーのWBTCに挑戦する意向を示唆しており、今回のローンチが行われた。ベースネットワーク上で大規模なビットコイン経済を育成する計画だ。
暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が提供するビットコイン(BTC)のトークン化バージョンが、イーサリアムネットワークとベースネットワーク上でローンチされた。コインベースは、最大手の企業が80億ドル(約1兆1200億円、1ドル140円換算)以上の資産の裏付けを行っている市場に参入している。
コインベース・ラップドBTC(cbBTC:Coinbase Wrapped BTC)は、コインベースが保有するビットコインと1対1で裏付けられたERC-20トークン。こうしたラップドトークンにより、ユーザーは既に保有しているビットコインを新しい形でオンチェーンで利用できるようになる。例えば、分散型金融(DeFi)プロトコルに流動性としてビットコインを提供したり、他の暗号資産を借り入れる際の担保として使用したりすることなどだ。
コインベースによると、エアロドローム(Aerodrome)・カーブ(Curve)などの取引所や、アーベ(Aave)・スカイ・プロトコル(Sky Protocol)・コンパウンド(Compound)といったレンディングアプリケーション、現実資産(RWA)プロバイダーのメイプル(Maple)、デブリッジ(deBridge)などのクロスチェーンブリッジを含む複数のDeFiサービスが12日からcbBTCに対応する予定。
コインベースのユーザーが取引所からベースネットワークまたはイーサリアムネットワーク上の特定のアドレスにビットコインを送信すると、自動的に1対1でcbBTCに変換される。ユーザーがコインベースアカウントでcbBTCを受け取ると、1対1でcbBTCからビットコインに変換される。
ローンチ時点で、cbBTCはアメリカ(ニューヨーク州を除く)、イギリス、欧州経済領域(EEA)加盟国、シンガポール、オーストラリア、ブラジルのコインベースユーザーが利用できる。
ジャスティン・サン氏のコメント
このトークンは、ビットゴー(BitGo)のラップドビットコイン(WBTC)トークンをめぐって論争が起きる中でコインベースが最初に発表を示唆してから数週間後に登場した。WBTCはラップドビットコインカテゴリーをリードしており、12日時点での価値は80億ドル以上に上る。
ベースネットワークを創設したジェシー・ポラック(Jesse Pollak)氏は当時、チームがこのネットワーク上で「大規模なビットコイン経済」を構築する計画だと述べた。
現在WBTCのカストディを担当する企業ビット・グローバル(BiT Global)を一部管理しているトロン創設者のジャスティン・サン(Justin Sun)氏は、12日の発表を受けて、新しいコインベースの商品の欠点と同氏が主張するものについて投稿した。
サン氏は、「#cbbtcには準備金証明がなく、監査もなく、いつでも誰かの残高を凍結できる」とし、「本質的に、それはただ『私を信頼して』ということだ」とコメントした。
#cbbtc lacks Proof of Reserve, no audits, and can freeze anyone's balance anytime. Essentially, it’s just 'trust me.' Any U.S. government subpoena could seize all your BTC. There’s no better representation of central bank Bitcoin than this. It’s a dark day for BTC.
— H.E. Justin Sun🌞(hiring) (@justinsuntron) September 12, 2024
|翻訳・編集:林理南
|画像:PiggyBank/Unsplash
|原文:Coinbase’s Version of Wrapped Bitcoin, ‘cbBTC,’ Goes Live