仮想通貨マイニング業界を取り込むべき:中国四川省政策顧問

ビットコインマイニングの重要な中心地、中国の四川省は、仮想通貨業界にとって魅力的であり続けるために、さらに研究を進めるべきと、四川省の政治家が発言した。

地元メディア四川日報が2019年10月28日に報じた通り、政府が支援するシンクタンク「四川意思決定諮問委員会」は10月27日、四川省の将来的な高度技術開発をめぐる議論を行うための会議を主催した。

この会議において、中国証券監督管理委員会の元副委員長で、現在は四川意思決定諮問委員会のメンバーを務める姜洋(Yang Jiang)氏は、ビットコイン、ブロックチェーン、四川省に豊富にある水力エネルギーの組み合わせは、同省内でさらなるビジネスチャンスを生み出すべきだと述べた。今回の発言は、適切な手続きを踏まずに建設されたとされる省内のビットコインマイニング施設の捜査を地元当局が続ける中で行われた。

姜氏は、同省が誇る豊富で安価な水力エネルギーがビットコインマイナーにとって魅力的であるために、現在すべてのビットコインの70%が四川省でマイニングされていると付け加えた。姜氏は70%のデータ元を明かさなかったが、ブロックチェーンスタートアップのコインシェア(Coinshare)は、2019年6月時点で、ビットコインマイニング能力の半分以上が四川省に位置していると推定した。

「ブロックチェーンはすべての業界に関わることができます。金融業界における主要な用途はデジタル通貨であり、ビットコインがその重要な例です」と姜氏は委員会のメンバーに語ったと報じられ、ビットコインマイニングには冷却と演算が必要で、そのためにエネルギー消費の激しい業界となっていると付け加えた。

そのため、新しい経済チャンスや成長の原動力を探るために、四川省はその豊富な水力エネルギーが、デジタル通貨関連業界にとっての魅力を維持する方法をさらに研究することに尽力するべきだと、シンクタンクに提案した。

姜氏はさらに現在、政治、ビジネス業界の著名な人材から構成される中央政府レベルの政治立法諮問機関である中国人民政治諮問会議のメンバーも務めている。

姜氏の発言は提言であり、政策変更に必ずしも結び付く訳ではないが、委員会のメンバーが四川省の省都である成都市において、四川省の過剰エネルギーをデジタル経済向けにより良く活用しつつ、ビットコインマイニングをよりプロフェッショナルなデータセンタービジネスへと変容させる方策を議論するセミナーを主催したわずか数日後に行われた。

姜氏が仮想通貨マイニング業界に支持を表明するのは、今回が初めてではない。中国証券監督管理委員会の副委員長として姜氏は、ビットコインマイナー「アヴァロン(Avalon)」のメーカー「カナン(Canaan)」のオフィスの調査研究ツアーを行なっており、中国本土でカナンが上場するという計画に支持を表明していた。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Mining farm image via Shutterstock
原文:Sichuan Should Work to Remain Attractive to Crypto Mining: Policy Advisor