- ニア(NEAR)やフェッチAI(FET)のような暗号資産(仮想通貨)AIトークンは、エヌビディア(Nvidia)の基調講演を受けても2024年の好パフォーマンスを再現できていない。
- 投機的なトレーダーがよりボラティリティの高いAIエージェントトークンに関心を移すにつれ、AIトークンセクターは低迷している。
- グーグル検索トレンドによると、ニアトークンとフェッチAIの世界的な検索数は昨年3月からそれぞれ、47%と84%減少している。
人工知能(AI)暗号資産トークンは、世界最大のテックイベント「CES」におけるエヌビディアCEOによる基調講演が伝統的市場におけるAI銘柄の強気なセンチメントに火をつけたにもかかわらず、2024年の好調なパフォーマンスを再現できていない。
昨年3月、ニアトークン価格はエヌビディアCEOの基調講演を前に2倍になり、似たような値上がりがより広いAIトークン市場全体で見られた。フェッチAI、グラフ(GRT)、シンギュラリティネット(AGIX)はすべて、CESに合わせて大幅に上昇した。
しかし今年、AIトークンは脆さを見せている。ニアは過去24時間で8%以上下落し、FETは9%近く下落。対照的にエヌビディア株は133ドルで今年の取引を開始し、CESが始まった1月6日には15%上昇して153ドルとなった。
AIトークンがかつてのように注目されなくなった理由はいくつかある。そのひとつが、AIエージェントトークンの出現だ。AIエージェントトークンは、ボラティリティが高く、カルト的な人気があることから、ミームコインに似ている。
時価総額が大きいために価格が動きにくい通常のAIトークンに比べ、3桁、4桁の利益を得られる可能性があるため、投資家はこれらのトークンを取引したがる。一方でミームコインと同様に、AIエージェントトークンも損失がより大きくなる可能性がある。
もうひとつの理由は、単に関心の欠如である。グーグルの検索トレンドによると、「ニア」と「フェッチAI」の検索数は昨年3月以降、それぞれ47%と84%減少している。
凋落は驚くべきことではない。暗号資産市場は非常に気まぐれで、投機的に急上昇したセクターに厳しい傾向がある。
昨年のAIトークンの高騰はまさにこれだった。人々はAIトークンが暗号資産強気相場の主役になると信じて投資したが、その代わりに100億ドル規模のETF(上場投資信託)への資金流入とドナルド・トランプ氏の大統領選勝利をめぐる強気なセンチメントで、話題をさらったのはビットコイン(BTC)だった。
しかし、AIトークンはまだ黎明期にある。暗号資産AIプロジェクトの多くはまだ構築中であり、メインストリームで利用されたものはほとんどなかった。一方、エヌビディアは3000ドル(約47万円、1ドル=158円換算)のミニスーパーコンピュータ「Digits」を発表。5月に発売される予定だ。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像: エヌビディアのジェンスン・フアンCEO(jamesonwu1972 / Shutterstock.com)
|原文:AI Tokens Fail to Mirror 2024’s Epic Surge Despite Bullish Nvidia Conference