
- イーロン・マスク(Elon Musk)氏の父親は、自身の苗字を用いたミームコインを販売することで最大2億ドル(約310億円、1ドル=155円換算)の資金調達を行い、様々なエンジニアリング・プロジェクトに充てる計画を持っている。
- マスク・インスティテュート(Musk Institute)は、同氏の宇宙に対する野心的なビジョンを表す言葉「ロケットを超えて」を文字通り体現し、飛ぶ車両やその他の科学的事業の開発を目指している。
- この「MUSK IT」トークンの開発者(中東拠点)との提携に合意する前、「これはパンプアンドダンプ(吊り上げと売り叩き)ではない」と、マスク氏の父親およびそのビジネスパートナーは語ったと報じられている。
イーロン・マスク氏の父親は、父子関係がどうやら疎遠であるにも関わらず、その苗字を用いたミームコインを広めようとしている。これにより、最大2億ドル(約310億円)を調達し、様々なエンジニアリング・プロジェクトの資金に充てる計画となっている。
このエロール・マスク(Errol Musk)氏は、ビジネスパートナーのネイサン・ブラウン(Nathan Browne)氏と共同で、正式に「MUSK IT」トークンを運営し、同氏が率いる新たな営利目的のシンクタンクであるマスク・インスティテュートを設立するという野心的な目標を掲げている(フォーチュン誌)。
マスク・インスティテュート(Musk Institute)は、イーロン・マスク氏の宇宙に対する野心的なビジョンを表す言葉「ロケットを超えて」を文字通り体現し、飛ぶ車両やその他の科学的事業の開発を目指しているが、イーロン・マスク氏がどのように関与するのか、また関与する場合の具体的な内容については不明である。
「私は一家の長だ。実際、私の家族は私から始まった。私は何年も、マスク流に物事をやってきた」と同氏はフォーチュン誌に対して語り、今回のプロジェクトに苗字を用いることへの懸念を一蹴した。
マスク・インスティテュートは、UAE(アラブ首長国連邦)の貴族と協力し、革新的なエンジニアリング・プロジェクトを推進することを計画しているが、プロジェクトのタイムラインや詳細についてはまだ明らかにされていない。
同トークンは、2024年12月に中東を拠点とする暗号資産(仮想通貨)企業によって最初に発行され、エロール・マスク氏とブラウン氏がマスク・インスティテュートを設立することを決定した後、構想を共にすることとなった。
トークンについての具体的情報
同トークンは、現地時間1月31日時点で2500万ドル(約39億円)の時価総額を誇り、CoinMarketCapのデータによると、取引量は7900万ドル(約122億円)で、本記事執筆時点から過去24時間で130%の価格上昇を見せた。同トークンはソラナをベースとしたプラットフォームのPump.funで発行されており、その契約アドレスを参照すると、10億トークンが流通している。
トークンデータからは、44000人の保有者がいる。上位10のアドレスがトークン供給総量の20%以上を保有しており、これは総額700万ドル(約10億円)超に相当する。
フォーチュン誌の発表を受けて1セントから20セントに急上昇した後、アジアの午後帯に2セントをわずかに超える価格に戻した。
ただし、同トークンの運営方法、特に「トークノミクス」の具体的な内容については依然として謎に包まれている。エロール・マスク氏、ブラウン氏、またはMusk Itのウェブサイトは、トークンの構成についてや分配計画に関する詳細な情報を提供していない。
今回のエロール・マスク氏によるプロモーションは、数多くのいわゆる「有名人トークン」の最新事例であり、通常は有名人の名を借りた短命のミームコインとして、最終的には消えていくことが多いものだ。
そのため、エロール・マスク氏とブラウン氏が提携の前に提示した条件の一つは、同トークンが「パンプアンドダンプ(吊り上げと売り叩き)」にならないことであった。
しかし、イーロン・マスク氏の事業とは距離があるにもかかわらず、同トークンのサイトは同氏による複数のイノベーションを目立たせており、スペースX(SpaceX)のロケットやテスラ・サイバートラック(Tesla Cybertruck)、そしてホームページには「火星基地、近日開設」の文言が表示されている。
|翻訳・編集:T.Minamoto
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|原文:Elon Musk’s Dad Eyes $200M Raise From ‘MUSK IT’ Memecoin to Go ‘Beyond Rockets’