リミックスポイント、暗号資産評価損20億円響き赤字転落──25年3月期決算

リミックスポイントが5月15日、2025年3月期(2024年4月~2025年3月)連結決算を発表した。新たに本格開始した金融投資事業における暗号資産(仮想通貨)の評価損が影響し、当期純損失5億9300万円を計上、前期の黒字から赤字転落となった。

同社は2024年11月より、暗号資産投資を中核とする金融投資事業を新たな収益の柱として推進しており、2025年3月末時点で総額100億円規模の暗号資産を保有している。

しかし、2025年1月から3月にかけての暗号資産市場の価格調整局面において、金融投資事業セグメントでは、保有暗号資産の評価損20億4900万円が売上高にマイナス計上され、結果としてセグメント損失20億9800万円となった。

リミックスポイントは決算資料の中で、この期間の市場環境について、トランプ大統領による鉄鋼・アルミニウムへの追加関税発動やEUからの輸入品への関税検討といった動きが世界経済の不確実性を高め、FRBによる利下げ期待が後退したこと、さらに同期間中に暗号資産取引所Bybitで約14億ドル相当の巨額な不正流出が発生したことなどが複合的に作用し、暗号資産を含むリスク資産全般への警戒感が高まったと説明している。

一方で、2026年3月期の連結業績予想については強気の見通しを示した。

特に金融投資事業においては、ビットコイン価格が2026年3月までに1BTCあたり15万ドル-18万ドル(約2175万円-約2610万円、1ドル145円換算)に到達するとの予想に基づき、約63億円-約95億円の暗号資産評価益を見込んでいる。

[リミックスポイント決算短信から]

同社は、米国でのビットコイン現物ETF承認による継続的な資金流入や、2024年4月の半減期後の需給改善、さらにトランプ大統領が戦略的なビットコイン準備金と米国デジタル資産備蓄を設立する大統領令に署名したことなどを、価格上昇を後押しする要因として挙げている。

なお、同社は重要な後発事象として、メディカル事業を手掛ける連結子会社ゼロメディカルの全株式譲渡を発表した。

|文:栃山直樹
|画像:リミックスポイントウェブサイトから(キャプチャ)