英国、銀行による暗号資産の取扱い制限を来年に提案へ

- イングランド銀行は、金融の安定性を守るため、2026年までに銀行の暗号資産へのエクスポージャーに関する新たな提案を発表する予定だと主要幹部が述べた。
- 投資家が損失を被る可能性のある資産クラスである暗号資産への銀行のエクスポージャーを考慮すると、より制限的なアプローチが必要だと、同行のプルデンシャル政策担当エグゼクティブディレクター、デビッド・ベイリー氏は語った。
イングランド銀行(Bank of England)は、金融の安定性を守るため、2026年までに銀行の暗号資産(仮想通貨)へのエクスポージャーに関する新たな提案を発表する予定だと、主要幹部が18日に述べた。
同行のプルデンシャル政策担当エグゼクティブディレクター、デビッド・ベイリー(David Bailey)氏は、ロンドンで開催された「Risk Live Europe」での講演で、英国はより制限的な規則の策定を検討していると語った。
ベイリー氏は、英国が銀行に対し、暗号資産へのエクスポージャーを低く抑えるよう促す可能性が高いと示唆した。
「基準を徐々に緩和できるかどうかの証拠を収集しながら、まずはより制限的な方から始めたほうが適切かもしれない事例もある」とベイリー氏は述べた。「銀行の暗号資産へのエクスポージャー、特に価格変動の激しい資産や投資家が投資額の全額を失う可能性のある資産へのエクスポージャーに対する慎重な取扱いは、この分野における一例だ」
英国は、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)が策定した銀行の暗号資産へのエクスポージャーに関する開示枠組みの導入を目指している。同委員会は、各国がリスクを評価するのに役立てるため、この枠組みを2026年初めまでに導入する必要があると述べた。同委員会は、銀行がビットコイン(BTC)などの暗号資産へのエクスポージャーを1%に制限すべきとする規則も提案した。
英国の計画は、同委員会が策定した基準に「基づいた」ものになるだろうとベイリー氏は述べた。
各国は、特に暗号資産の顧客を抱えていたシリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank)とシルバーゲート銀行(Silvergate Bank)が2023年に破綻したことを受けて、銀行と暗号資産の連携状況を確認し、暗号資産のボラティリティにかかわらず金融の安定性を維持できるよう目を向けてきた。
英国の慎重な暗号資産規則は、同国の別の金融規制当局である金融行動監視機構(FCA:Financial Conduct Authority)が、暗号資産に関する新たな規制を導入するタイミングで登場することになる。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:英国のロンドン(Cj/Unsplash+)
|原文:UK to Propose Restrictions on How Banks Can Deal With Crypto Next Year