INTMAX、メインネットローンチ──混雑しても手数料“ほぼゼロ”のL2が登場

Ryodan Systems AG(本社スイス)は6月26日、イーサリアム・レイヤー2「INTMAX」のメインネットローンチを正式に発表した。
リリースによると、オンチェーンデータを極限まで削減する「ステートレス設計」により、ネットワークの混雑状況に関係なく、安定して超低コスト、かつプライバシーを保護した決済を実現するという。
また、この「画期的な実現」の背景には、2017年に「理想的なスケーリング解」として注目された「Plasma(プラズマ)構想」があるとし、「Intmaxはその技術的課題を克服し、Plasmaの理念を現実に即したかたちで初めて実用化することに成功」したと述べている。
INTMAXは昨年、東京で「PlasmaCon」を開催。イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏、イーサリアム財団研究者ジャスティン・ドレイク(Justin Drake)氏、そしてPlasma研究者兼INTMAXの共同創設者の日置玲於奈氏らが登壇した。
開催にあたって日置氏は「Plasmaは死んでいないことを皆さんに知らせる時が来ました──2018年の時よりも、さらに強力になっています!」と述べていた。
ブテリン氏も過去にCoinDeskのインタビューで「ステートレス」について説明している。

その技術的優位性については、INTMAXもリリースで「Ethereumが実現したかった本当の“Layer2”」「革新的な“ステートレスL2”で、Ethereumの限界を超える」「プライバシーを守る、新しいマイニングの形『Privacy Mining』」などとアピールしている。
共同創業者の日置玲於奈氏は「長い技術的な格闘の末、これを世に出せることを大変嬉しく思います」「このEthereumをスケーリングする旅には色々な答えが用意されていて、途中それを選ぶ自由がありました」とメインネットローンチまでのハードルに触れ、「私はこのアドレス空間Intmaxでやりたいことが山ほどあります!!皆さんも全ての送金が限りなく軽く、そして全てが秘匿されている不思議な空間をうまく使ってみてください」と述べている。
もう1人の共同創業者の藤本真衣氏は「プライバシーは『あれば便利なもの』ではなく、『自分の身を守るために不可欠なもの』だと私たちは考えています。INTMAXが、その新しい基盤となり、より多くの人々に『選択肢』と『尊厳』を届けられることを願っています」とリリースに記している。
|文:増田隆幸
|画像:日置玲於奈氏(左)、2024年の「PlasmaCon」より(CoinDesk JAPAN)