ビットコイン、上半期の暗号資産市場を牽引──次なる展開は?

- 暗号資産(仮想通貨)市場の総時価総額は2025年上半期、様々な国際的経済圧力を受けながらも、3%ほど増加した。
- トークンのパフォーマンスは著しく不均衡であった。ビットコインは13%上昇した一方、イーサリアムとソラナはそれぞれ、25%と17%下落した。
- アナリストたちは、好ましいマクロ経済状況、規制の進展、および暗号資産財務戦略による需要を理由に、下半期についても楽観的な見方を維持している。
2025年上半期の暗号資産市場は、表面的にはほとんど動かなかった。
関税、迫り来る景気後退、戦争、暗号資産に優しい政策への期待の高まり、ドナルド・トランプ氏の米大統領復帰に伴うデジタル資産の戦略備蓄構想など、さまざまな出来事があったにもかかわらず、TradingViewが測定した暗号資産の時価総額は、過去6カ月間でわずか3%増の3兆2700億ドル(約470兆円、1ドル=144円換算)にとどまった。
詳細に見ると、パフォーマンスは著しく不均衡で、ビットコイン(BTC)が市場全体を支えた。
ビットコインは2025年上半期に13%上昇し、引き続き広範な市場を凌駕し続けた。一方、時価総額で第2位の暗号資産であるイーサリアム(ETH)は25%と大幅に下落し、ソラナ(SOL)はほぼ17%下落した。
小規模でよりリスクの高いトークンはさらに大きな値下がりを見せた。時価総額上位10のトークンを除外したTradingViewの「OTHERS(その他)」指数は、30%下落した。

次はどうなる?
控えめな上半期となったが、一部のアナリストは再び上昇の余地があると指摘している。LMAXグループ(LMAX Group)の市場戦略家、ジョエル・クルーガー(Joel Kruger)氏は、7月は歴史的に暗号資産が強い月であり、2013年以降平均7.56%のリターンを記録していると指摘した。
「我々は伝統的に高いリターンをもたらしてきた時期に突入している」とクルーガー氏は述べ、「年の後半は歴史的に大きな利益を生む傾向にあり、全体的な状況は依然として前向きだ」と続けた。
クルーガー氏はまた、暗号資産財務戦略のトレンドがビットコインを超えて拡大し、企業が続々とイーサリアムなどのデジタル資産の蓄積計画を発表している点を強調した。
コインベース(Coinbase)のアナリストらも、マクロ経済の好況、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げの可能性、ステーブルコインや暗号資産市場の構造に関する立法が進む米国での規制の明確化を背景に、今年後半の暗号資産市場に対し前向きな見通しを維持した。
それでも、今後の数カ月は低迷する可能性があると、ビットフィネックス(Bitfinex)のアナリストらは警告した。6月30日発表のビットフィネックスの報告書によると、7月から始まる次の四半期は、2013年以降平均6%の利益しか上げていない、ビットコインにとって歴史的に最も弱い時期である。
「平均ボラティリティが抑制されており、価格がレンジ内での動きを継続する傾向をさらに強める要因となっている」と、アナリストらは述べている。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:nosheep/Pixabay
|原文:Bitcoin Carried Crypto Markets in 2025’s First Half as Altcoins Crumbled. What’s Next?