ブラックロックのビットコインETF、自社の「S&P500ETF」を上回る手数料収入を計上

- ブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)は、運用資産残高が520億ドル(約7兆4900億円、1ドル144円換算)で、推定で年間1億8720万ドル(約269億6000万円)の手数料収入を生み出していると、ブルームバーグが報じた。
- 巨大ファンドのiシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)は、6240億ドル(約89兆9000億円)という巨額の運用資産残高を有しているにもかかわらず、手数料収入はIBITをわずかに下回っている。
ブルームバーグ(Bloomberg)のデータによると、ブラックロック(BlackRock)のiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(iShares Bitcoin Trust:IBIT)は現在、この資産運用会社の最も象徴的な商品の一つであるiシェアーズ・コアS&P500ETF(iShares Core S&P500 ETF:IVV)を上回る収益を生み出している。
IBITの運用資産残高(AUM)はわずか520億ドル(約7兆4900億円)で、IVVの総資産6240億ドル(約89兆9000億円)のほんの一部に過ぎないにもかかわらず、IBITの高い手数料体系により、世界最大の資産運用会社にとって大きな収益源となっている。ブルームバーグは、IBITは0.25%の管理手数料を通じて年間約1億8720万ドル(約269億6000万円)の収益を上げていると推計している。
一方、S&P500に連動し、長年にわたり個人投資家や機関投資家のポートフォリオの定番となってきたIVVは、わずか0.03%の管理手数料を設定。つまり、IBITの約9倍の資産を運用しているにもかかわらず、年間約1億8710万ドル(約269億4000万円)の手数料を生み出していることになる。
IBITは、米規制当局が承認したビットコイン(BTC)現物ETF(上場投資信託)の波の一環として、2024年1月にローンチされた。それ以来、1カ月を除いて毎月資金が流入しており、現在までに520億ドル(約7兆4900億円)の資産が蓄積されている。これにより、IBITは市場において他に大差をつけて最大のビットコイン現物ETFとなっている。
IBITの急成長は、規制されたビットコイン投資商品、特にブラックロックのような確立された金融企業が提供する商品に対して継続的な需要があることを浮き彫りにしている。投資家にとっての魅力は、ビットコインを直接保有する際の技術的なハードルやセキュリティリスクなしに、この資産へのエクスポージャーを得られることだ。
IBITの管理手数料は従来のETFよりも高いが、これはビットコインのようなデジタル資産へのエクスポージャーを提供する際に複雑さ、カストディ、規制上の要件が加わることを反映している。
|翻訳・編集:廣瀬優香
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|原文:BlackRock’s Bitcoin ETF Generating More Revenue Than Its Flagship S&P 500 Fund