ビットコインが一時11万8000ドルを突破──10億ドル以上のショートポジションが清算
  • 24時間で11億3000万ドル以上の暗号資産のポジションが清算され、そのうち10億1000万ドルは空売りによるものだった。
  • ビットコイン先物が5億9000万ドルで清算額を最も多く占め、次いでイーサリアム先物が2億4100万ドルだった。
  • 清算はバイビットとHTXに集中しており、バイビットでは合計4億6100万ドルの清算があった。

ビットコイン(BTC)は一時11万8000ドルを突破し、レバレッジを効かせた弱気派にとって今年最大の損失となった。

過去24時間で11億3000万ドル(約1638億5000万円、1ドル=145円換算)以上のポジションが清算され、そのうち10億1000万ドル(約1464億5000万円)という驚異的な額が空売り筋によるもので、2025年に入ってから最大の空売りによる損失となった。

ビットコイン先物の建玉は過去4時間で20億ドル(約2900億円)増加し、ロング・ショート比率は52%と強気筋に有利に傾いており、さらなる上昇への期待が高まっていることを示唆している。

この動きを牽引したのはビットコイン先物で、5億9000万ドル(約855億5000万円)の清算を引き起こし、次いでイーサリアム(ETH)先物が2億4100万ドル(約349億4500万円)の清算を引き起こした。

合計で約23万7000人のトレーダーが清算され、最も大きな打撃を受けたのはHTXにおける8850万ドル(約128億3250万円)のBTC/USDT空売りだった。清算の規模と不均衡(全ポジションの約90%が空売り)は、トレーダーがいかに積極的に価格上昇に逆らって賭けていたかを示している。

[CoinGlass]

損失の大部分はバイビット(Bybit)とHTXで起こった。バイビットだけで合計4億6100万ドル(約668億4500万円)の清算があり、その93%以上がショートポジションだった。バイナンス(Binance)とHTXがそれぞれ2億400万ドル(約295億8000万円)と1億9300万ドル(約279億8500万円)を記録し、これに続いた。

ショート清算は、トレーダーが価格上昇に逆らうために資金を借り入れ、市場が逆行した際に強制的に決済されることを意味する。これらの事象は、損失を確定させるだけでなく、上昇相場でポジションが解消されて強制的に買いが行われるため、上昇モメンタムをさらに加速させる場合が多い。

最近の清算の急増は、アメリカの政策変更の兆候と株式市場の堅調さを受けて、暗号資産(仮想通貨)市場への楽観的な見方が再び高まっている中で発生した。ビットコインは7月10日に史上最高値を更新し、エックス・アール・ピー(XRP)、イーサリアム、ドージコイン(DOGE)、そしてソラナ(SOL)は、さまざまな材料の影響を受けて最大5%上昇した。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Rockets Past $118K, Leads to Over $1B Shorts Getting Liquidated