コインシェアーズがEU全域のMiCAライセンスを取得
  • コインシェアーズは、ヨーロッパの暗号資産運用会社として初めてMiCAライセンスを取得したと発表した。
  • フランスの金融市場庁(AMF)から付与されたこのライセンスにより、同社はEU全域で単一の規制枠組みの下で暗号資産ポートフォリオ運用サービスを提供できるようになる。
  • このライセンスは、コインシェアーズがEUのMiFIDおよびAIFMDの下ですでに取得している認可に加えられるもので、同社は3つの資格をすべて保有する唯一のヨーロッパの大手資産運用会社となる。

コインシェアーズ(CoinShares)は、欧州連合(EU)の暗号資産市場規制(MiCA)に基づくライセンスを取得したと発表した。ヨーロッパ大陸に拠点を置く暗号資産(仮想通貨)運用会社として、MiCAのライセンスを取得した初の企業となる。

この認可により、ジャージー島セントヘリアに本社を置く同社は、EU加盟27カ国において、統一された単一の規制枠組みの下で暗号資産ポートフォリオ運用サービスを提供できるようになる。すでにドイツ、オランダ、ルクセンブルクなどの国で事業を展開しており、今後さらに拡大していく可能性もあると同社は述べている

フランスの金融市場庁(AMF)から取得した今回のライセンスは、コインシェアーズがEUのMiFID(金融商品市場指令)およびAIFMD(オルタナティブ投資ファンドマネージャー指令)に基づく認可に加わる。同社によると、これによって同社は3つの認可をすべて取得する唯一のヨーロッパの大手資産運用会社となる。

コインシェアーズは、この一歩が、33兆ユーロ(約5610兆円、1ユーロ=170円換算)規模のヨーロッパ資産運用業界に、より規制の厳しい暗号資産投資商品の門戸を開くことになるとしている。

「AMFからMiCAの認可を取得したことは、コインシェアーズだけでなく、ヨーロッパの暗号資産業界全体にとって極めて重要な節目だ」とジャン-マリー・モグネッティ(Jean-Marie Mognetti)CEOは声明で述べている。「MiCAの認可取得により、EU全体で明確かつ調和のとれた体制が整った。コインシェアーズは、ヨーロッパ大陸で初めて、完全に規制された資産運用会社としてこの基準を満たしたことを誇りに思う」。

他にはコインベース(Coinbase)、バイビット(Bybit)、OKX、Crypto.comといった他の暗号資産企業もMiCAライセンスを取得している。

2013年に設立され、ナスダック・ストックホルムに上場しているコインシェアーズは、運用資産額が90億ドル(約1兆3050億円、1ドル=145円換算)を超えると発表しています。

同社の株価は1.7%上昇し、120クローナとなった。年初来では46%以上上昇している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Crypto Asset Manager CoinShares Secures EU-Wide MiCA License