プロシェアーズ、レバレッジ型「ウルトラCRCL」ETFを上場──サークル株の2倍のリターン提供を目指す

- プロシェアーズ(ProShares)は、サークル社の株式に対し、日々のパフォーマンスの2倍のエクスポージャーを提供する初のETF(上場投資信託)をローンチした。サークル社の株価は、6月のIPO(新規株式公開)以来急騰している。
- サークル社の時価総額は、同社が手がけるステーブルコインUSDCへの需要の高まりと、米国における規制の明確化が進んでいることを背景に、ほぼ5倍になった。
- このETFは、トレーダーに証拠金を使わずにサークル株にレバレッジをかけて投資する手段を提供するが、短期的な使用を目的としている。
ETFプロバイダーのプロシェアーズは、サークル社の株式に対し、パフォーマンスの2倍のリターンを提供することを目指す新商品をローンチした。これによってトレーダーは、暗号資産(仮想通貨)金融分野で最も著名な企業の一つであるサークル社に、レバレッジをかけた投資を行う手段を手にすることになる。
プロシェアーズのウルトラCRCL ETF(Ultra CRCL ETF:CRCA)は8月7日、サークル社がニューヨーク証券取引所に上場してからわずか数週間後に取引を開始した。
サークル株は上場以来、134%急騰している。これは、同社のステーブルコイン、USDコイン(USDC)の普及拡大と、デジタル決済に対する最近の法整備が一因である。
サークル社は、ステーブルコインUSDCの発行元として最もよく知られているが、トークン化された資産、ブロックチェーン開発者ツール、そして185カ国以上を網羅する決済ネットワークもサポートしている。
この新しいETFは、米国の規制当局がステーブルコインに関するルールを正式化し始めている時期に登場した。米議会は7月中旬、ジーニアス(GENIUS)法を可決した。
連邦銀行規制当局がステーブルコインセクターを規制する正式なルールを策定する必要があるものの、ジーニアス法は、決済用ステーブルコインのための法的枠組みを確立し、サークル社のような企業が米国の金融システムでどのように事業を運営できるかを明確にするのに役立つ。
この規制の明確化と、デジタルドルの広範な採用からサークル社が恩恵を受けると予想するトレーダーにとって、CRCAは直接資金を借りることなく、そのエクスポージャーを増幅させる手段を提供する。
CRCAのようなレバレッジ型ETFは、長期的な投資ではなく短期的なトレーディングのために設計されている。毎日リバランスを行うため、長期間保有すると、パフォーマンスが期待から乖離する可能性がある。
この新しいETFは、幅広く取引されているUltraPro QQQやビットコイン(BTC)に連動するBITOを含む、プロシェアーズの150以上のETFのラインナップに加わった。同社は近年、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、エックス・アール・ピー(XRP)といった主要な暗号資産に連動するファンドを提供し、デジタル資産に力を入れている。
サークル社のIPOは当初、メインストリームからの注目を限定的にしか集めなかったが、その後の株価パフォーマンスは、投資家がサークル社を、規制された将来の暗号資産決済における主要プレーヤーと見なしていることを示唆している。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:bella1105 / Shutterstock.com
|原文:ProShares Debuts ‘Ultra CRCL’ ETF, Letting Traders Double Down on Circle Stock