仮想通貨関連の不審行為は急増──FinCEN局長が明かす

仮想通貨関連の不審行為は急増──FinCEN局長が明かす

仮想通貨企業各社は2019年5月以降、7100件の不審行為報告書(Suspicious Activity Reports:SAR)を提出した。金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)のケネス・ブランコ(Kenneth Blanco)局長が2019年12月10日(現地時間)に開催されたカンファレンスで述べた。

コーポレートベンチャーキャピタルからも報告

ブランコ氏によると、これらの報告書はアメリカのアンチマネーロンダリング(AML)法の要となる銀行秘密法(Bank Secrecy Act)が仮想通貨分野にどのように適用されるかを説明したFinCENの5月のガイダンスに従ったものだ。

それ以来、合計で1万1000件の仮想通貨関連の不審行為報告書(SAR)がFinCENに提出された。2100件は直接ガイダンスに言及したもので、新たな「数十」の組織もそれぞれ初の報告書を提出した。

7100件という高い数字は、仮想通貨ATMや取引所などの仮想通貨サービス・プロバイダー(VASP)は、ネットワーク上で動いている不法な可能性のある行為に慎重に目を光らせていることを示している。

「5月のガイダンス以前には一度もSARを提出したことがなかった数十のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)が、この制度を使って、我々に不審行為を報告していることは心強い」とブランコ局長は述べた。

ベネズエラ、ダークネット、詐欺、高齢者

特にベネズエラが不審な活動の温床となっているようだとブランコ局長は述べた。石油に裏付けられていると言われるトークン「ペトロ(Petro)」を持つベネズエラでは、未認可のマネーサービス企業が増加しているようだ。

アメリカ国内では、ダークネット関連の取引、詐欺、そして、仮想通貨に関する「知識がない」ために高いリスクに晒される高齢者をターゲットにした行為が数多く報告されている。

ブランコ局長は、現在、まったく報告を行っていない組織も含め、すべての金融機関は仮想通貨SARの提出を検討する必要があると述べた。

「もし報告を行わないと言うなら、自らの組織が仮想通貨と関わっていないかどうかを再評価する必要がある」

今回の発言は、仮想通貨取引所、調査企業などが不審行為の報告を拡大する取り組みを強化する中で行われた。

先週、フォーブス(Forbes)は、利害関係者がまとめた不審行為を見極めるためのガイドブック「仮想通貨サービス・プロバイダーのための疑わしいサイン(Indicators of Suspicion for Virtual Asset Service Providers)」という機密レポートの存在を明らかにした。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Kenneth Blanco image via Donna Burton/Filckr
原文:FinCEN Sees Jump in Crypto-Related Suspicious Activity Reports

おすすめ記事: