- 堅調な米経済データが、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げに対する市場の期待に影響を与えたことを受け、暗号資産(仮想通貨)は下落幅を拡大した。
- ビットコインは11万1000ドルを下回り、9月上旬以来の安値を付けた一方、イーサリアムはアルトコインセクターにおけるさらに急激な下落を主導した。
- ストラテジー(Strategy)、コインベース(Coinbase)、デジタル資産トレジャリー企業、マイナーを含む暗号資産関連株も、大幅に下落した。
米国の経済成長率が大幅に上方修正された後、暗号資産価格は9月25日、一段と下落し、暗号資産関連株も売られた。
米政府は、第2四半期の国内総生産(GDP)が年率換算で3.8%拡大したと報告した。これは、以前の推定値である3.3%より大きく、当初報告された3%も大きく上回るものであった。
これと並行して、新規失業保険申請件数は、前週の23万2000件から21万8000件に減少し、予想の23万5000件を大きく下回った。これにより、雇用市場が弱まっているという考えに疑問が投げかけられた。
予想をはるかに上回る力強いデータは、FRBが来月さらに利下げするという期待を弱めた。CMEのFedWatchツールによると、トレーダーたちは現在、FRBが金利を据え置く可能性を17%と見ており、これは前日の8%から上昇したものだ。
この報告を受けて、米10年物国債の利回りは4.20%近くまで急騰し、3週間ぶりの高水準となった。これにより、米株は値下がりした。ナスダックは当初1%以上下落したが、下落幅は0.5%に縮小した。
ここ数日間すでに弱含みで取引されていたビットコイン(BTC)は、11万1000ドルを下回り、9月上旬以来の安値を付けた後、11万1500ドルまで回復し、過去24時間では1.6%下落している。
イーサリアム(ETH)は4000ドルを下回り、過去24時間で4.5%下落した一方、ソラナ(SOL)、ドージコイン(DOGE)、アバランチ(AVAX)、スイ(SUI)はさらに急激な下落に見舞われた。
数カ月にわたってビットコインを大幅にアウトパフォームしていたイーサリアムは、大幅に下落し、ETH/BTC比率は、4週間前には年初来で20%上昇していたのに対し、横ばいに戻った。
ソラナは、新しく設立されたデジタル資産トレジャリー企業をはじめとする企業による採用増加の盛り上がりの中、最近の人気トークンの一つであった。しかし、過去24時間では6%、過去1週間では20%近く下落している。
株式も下落
暗号資産関連株も25日、全面的に急落した。最大の法人ビットコイン保有者であるストラテジーは4.5%下落し、暗号資産取引所のコインベースは4.1%下落した。
マイナーはさらに大きな打撃を受けた。サイファー・マイニング(Cipher Mining)は、グーグルのAIホスティング契約のニュースで初期には上昇したにもかかわらず9.4%下落し、ハイブ・デジタル(HIVE Digital)、ビットディア(Bitdeer)、ビットファームズ(Bitfarms)は6%~8%下落した。
ステーブルコイン発行者のサークル(Circle)も4.4%下落し、ギャラクシー(Galaxy)も3.7%下落するなど、セクター全体に弱含みが広がった。
|翻訳・編集:山口晶子
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|原文:Bitcoin Falls Below $111K, Crypto Stocks Plunge as GDP Revision Dampens Rate Cut Odds


