- ビットコインは10万3000ドルを上回る水準まで反発。
- SOFR-EFFRのスプレッドが急落しており、金融システムの流動性改善とストレス軽減を示唆している。
- ドル指数の上昇が停滞し、FRBのレポファシリティからの借入も減少。
ビットコイン(BTC)はここ数週間、厳しい状況に直面しており、史上最高値から急落し、イーサリアム(ETH)、エックス・アール・ピー(XRP)、ソラナ(SOL)などを含む広範な市場にも重くのしかかっている。
だが、BTCが10万ドルという重要な水準を上回って維持し、今週上昇することを見込む説得力のある理由がある。それは、米国の金融システムの前向きな変化と関連しており、投資家のリスク選好が回復する可能性を示唆している。
このストーリーの中心にあるのは、米国の銀行セクターにおけるドル流動性状況を示す指標であるSOFR(担保付翌日物調達金利)とEFFR(実効フェデラル・ファンド金利)のスプレッドだ。SOFRは、銀行が米国債を担保として現金を借り入れる際に支払う翌日物金利である。EFFRは、銀行が担保なしで互いに翌日物資金を貸し借りする際の金利だ。
通常、このスプレッドは狭い範囲で推移するが、先月末には2019年以来の高水準まで急騰し、金融システムにおけるストレスと流動性逼迫を示唆した。その結果、主要法定通貨に対するドルの価値を示すドル指数(DXY)は上昇し、BTCは急落して一時10万ドルの水準を割り込んだ。
だが、ここ数日間でSOFR-EFFRスプレッドは0.35から0.05に急落し、以前の急騰分を帳消しにした。この反転は金融状況の緩和を示唆しており、恐怖プレミアムが後退し、流動性が正常化しつつある。

他の条件が同じであれば、このスプレッドの縮小は金融状況の緩和を示唆し、BTCのようなリスク資産にとって好材料となる。実際、米CoinDeskデータによると、本記事執筆時点でBTCは上昇しており、10万3000ドルを超えて取引され、過去24時間で1.6%の上昇となっている。ETH、XRP、SOL、BNBもBTCに追随し、1.5%から2.5%上昇している。
SRFからの借入が減少、DXYの上昇が停滞
他の主要指標も流動性ストレスの緩和を示唆している。例えば、INGのデータによると、主要な流動性管理ツールである米連邦準備制度理事会(FRB)の常設レポファシリティ(SRF)からの銀行の借入額は、今月初めに過去最高の500億ドル(約7兆7000億円、1ドル154円換算)でピークに達した後、ゼロまで減少した。銀行は一時的な資金調達圧力に対応するため、SRFを通じて数十億ドルを借り入れていた。
同時に、DXYは8月高値の100.25付近で上昇が鈍化し、上昇モメンタムが失速している。DXYが再び下落することは、ドル安に対するヘッジ手段でありインフレヘッジの代替資産として見なされているBTCにとって良い前兆となる可能性がある。

これらの要因がすべて合わさることで、BTCおよび広範な暗号資産(仮想通貨)市場が今週上昇する説得力のある論拠となっている。
重要なリスク
米国上場の現物ETF(上場投資信託)は過去4週間で約28億ドル(約4310億円)の資金が流出し、今後力強い資金流入を示す必要があるため、流入状況を注視すべきだ。
DXYが100.25を上抜けた場合、BTCの強気見通しに悪影響を与える可能性がある。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:lizzyliz/Pixabay
|原文:Bitcoin’s $100K Question: Here’s Why BTC, XRP, SOL May Surge This Week


