- 最近の価格下落にもかかわらず、XRPは依然として365日で89%上昇している。
- BTC、ETH、CoinDesk 20指数などは大幅に遅れをとっている。
- しかしながら、XRPは他のほとんどのトークンよりもボラティリティが高いのも事実だ。
最近の暗号資産(仮想通貨)市場の暴落により、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、そして主要なCoinDeskの指数は、過去365日間のリターンが低迷、あるいはマイナスに転じるという、望ましくない状況に陥っている。ただし、エックス・アール・ピー(XRP)だけはそれを避けることができている。
CoinDeskのデータによると、11月16日時点で、決済に重点を置くXRPは過去365日間で89%上昇し、ビットコインとCoinDesk 20指数(CD20)のわずか3.6%の上昇率を大きく上回った。
CoinDesk 5指数(CD5)とイーサリアムは約2%の上昇にとどまった。一方、ソラナ(SOL)やカルダノ(ADA)といったライバルは大幅な下落に見舞われ、どちらも36%以上下落している。CoinDesk Meme指数(MEME)は78%下落と最悪のパフォーマンスを記録し、暗号資産市場で最もリスクの高い分野が大きな打撃を受けたことを反映している。

XRPは年初来でプラスを誇っている唯一の主要トークンでもある。
XRPの好調ぶりがより印象的なのは、4カ月前に記録した3.6ドル超の最高値から36%下落している点だ。時価総額で首位を走るBTCも、10月8日に12万6000ドル超のピークを記録して以来24%下落している。
規制面での進展を含む複数の要因が、XRPの好調を支えている。
XRPを用いた国際送金サービスを提供するフィンテック企業リップル(Ripple)に対するアメリカ証券取引委員会(SEC)の訴訟が和解に至ったことは、XRPのアメリカでの普及の見通しを不透明にさせていた重大な法的障壁を取り除く画期的な出来事だった。これにより機関投資家の参入が促進され、XRPの主流化に向けた重要な転換点だったと見なされている。
テクノロジー面では、リップル社によるXRPL EVMサイドチェーンの展開と、2024年12月のローンチから1年足らずで時価総額10億ドル(約1550億円、1ドル=155円換算)に達したリップル社のステーブルコインRLUSDの登場により、XRPのユースケースは決済だけでなくDeFiアプリケーションにも拡大した。
中東などの主要地域における戦略的提携やアメリカの銀行免許申請は、XRPの魅力をさらに強化している。先週、アメリカでカナリー・キャピタル(Canary Capital)のXRP現物ETF(上場投資信託)がデビューしたことがその証左だ。このファンドは今年上場したETFの中で初日取引高が最高を記録した。
業界の観測筋は、XRP現物ETFが機関投資家の需要を大きく引き寄せることに確信を持っている。
「これは非常に大きな商品になるだろう。XRPへの関心は非常に高い」と資産運用会社ビットワイズ(Bitwise)のハンター・ホースリー(Hunter Horsley)CEOはCoinDeskTVに語った。「XRPには多くのエネルギー、熱意、関心が集まっている」。
ホースリー氏は、現在100兆ドル(約1京5500兆円)超の資金が伝統的な金融システム上に存在し、その多くがブロックチェーン上へ移行しつつあると説明した。ETFは多くの資産にとって新規資産のエクスポージャーを得る最初の手段となることが多い。「投資家がXRPを取引し、エクスポージャーを得られる機会があれば、極めて有用で需要の高い商品となるだろう」と彼は述べた。
ボラティリティは高い
しかし、昔から言われているように、「タダの飯」など存在しない。これはXRPにも確実に当てはまる。
CoinDeskのデータによれば、このトークンは主要な暗号資産のいくつかを上回るパフォーマンスを示しているが、同時に最もボラティリティの大きいコインの一つでもある。
XRPの年間365日ボラティリティは91%で、ビットコインの44%を上回る。これよりボラティリティが高いのは、CoinDeskミーム指数(115.85%)とカルダノ(100.55%)だけだ。
しかし、機関投資家の関心が高まり、ETF承認の可能性も視野に入っていることから、XRPはより安定した長期資本を惹きつけるにつれ、ボラティリティが低くなる可能性がある。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:XRP Stands Out With 89% Gain as BTC, ETH, CD20 Fall to Muted Returns Over 365 Days


