- スペースXは2026年にIPOを計画しており、評価額は1兆5000億ドル(約234兆円、1ドル156円換算)に達する可能性がある。
- 同社は、ビットコインやドージコインなど多額の暗号資産を保有している。
- 暗号資産市場におけるイーロン・マスク氏の影響力は顕著であり、スペースXのIPOは、AIと暗号資産インフラ分野における同氏の影響力をさらに拡大させる可能性がある。
ブルームバーグ(Bloomberg)によると、スペース(SpaceX)は株式上場に向けて動いており、評価額は約1兆5000億ドル(約234兆円)に達する可能性があり、評価額ベースで過去最大の株式公開となる。
これが実現すれば、投資家が投資するのはロケットや衛星だけではない。数千ビットコイン(BTC)を保有し、すでにドージコイン(DOGE)を使って月探査ミッションの資金調達を行っている企業にも投資することになる。
9日遅くのブルームバーグの報道によると、イーロン・マスク(Elon Musk)氏が率いる同社は、「300億ドル(約4兆6800億円)を大幅に上回る」資金調達を目指し、新規株式公開(IPO)計画を進めており、約1兆5000億ドル(約234兆円)の評価額、2026年半ばから後半の早期上場を目指している。
これほどの規模では、バランスシート上のわずかな配分でさえ重要になる。
特定された事業体を追跡するブロックチェーン分析企業アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)は、「SpaceX」とラベル付けされたウォレットクラスターが約3991BTCを保有しており、ビットコイン価格が9万2500ドルとすると、約3億6900万ドル(約571億9500万円)相当になる。
これらのアドレスは、コインベース・プライム(Coinbase Prime)のカストディの下で保有されているとタグ付けされており、残高履歴チャートは過去数年間で保有量が変動していることを示している。2021年から2022年の強気相場で急増し、その後減少したが、2024年から2025年にかけて再び増加した。
アーカムの分析によると、最近ビットコインのベースレイヤー上で大規模な内部移動が確認され、過去1週間で1000BTC超の取引が2件発生したことに加え、コインベース・プライムとクラスター内のアドレス間でも小規模な移動があった。
これらの送金は売買ではなく、内部送金である可能性があることに留意すべきだ。

IPOはまだ1年以上先であり、しかも市場の状況次第ではあるものの、マスク氏の暗号資産(仮想通貨)との密接な関わりは、あらゆる展開を増幅し続けている。
マスク氏のドージコインへの影響力は広く知られており、市場を揺るがしたミーム投稿から、スペースXが月探査ミッション「DOGE-1」においてこのトークンを受け入れたことまで多岐にわたる。
同氏の企業群は、ビットコインをいち早く採用した機関の一つであり、再生可能エネルギー技術企業のテスラ(Tesla)は、バランスシート上に1万1000BTC超を保有していることを報告している。
スペースXのIPOは、スターリンク(Starlink)の拡張や膨大なチップを必要とする宇宙データセンターのための新たな資金をマスク氏にもたらすことになり、AI(人工知能)と暗号資産インフラの両方にまたがるセクターにおける同氏の影響力を拡大させる可能性がある。
一方、予測市場ポリマーケット(Polymarket)の初期データでは、スペースXのIPO時の評価額が1兆ドルを超える可能性に対する確信が高まっており、トレーダーたちは9日早朝時点で、評価額がこの基準値を上回る確率を67%と見積もっている。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Modified by CoinDesk
|原文:SpaceX’s $300M Bitcoin Stack Puts Crypto Inside the World’s Biggest Planned IPO


