スペースXで衛星打ち上げ──DePINスターアップ、フライト追跡データの精度向上狙う
  • スイスのDePINスタートアップ「Wingbits」は、Spire Globalと共同でSpaceX(スペースX)のTransporter-13ミッションで衛星を打ち上げる。
  • 衛星は、同社の2200以上の地上ノードから提供される飛行データを照合し、精度を高める。
  • 90カ国にわたる航空愛好家から提供されたデータをもとに、Wingbitsはリアルタイムの航空機追跡データを提供するFlightAwareやFlightradar24に挑む。

ブロックチェーン技術を活用したフライト追跡ネットワークのWingbits(ウィングビッツ)は、220億ドル(約3兆3000億円、1ドル150円換算)規模のフライトデータ業界での競争力強化のために、衛星を打ち上げ、追跡データを向上させることを目指している。

同社は、低軌道衛星を運用するSpire Global(スパイヤ・グローバル)と共同で衛星を打ち上げる。衛星はカリフォルニア州にあるヴァンデンバーグ宇宙軍基地からSpaceXのTransporter‐13ミッションによって打ち上げられる予定だ(訳注:打ち上げは、2月下旬の予定だったが、延期されている模様)。

Consensus 香港で打ち上げについて語ったWingbitsのCEO兼共同創業者、ロビン・ウィンガード(Robin Wingardh)氏は、衛星は世界中の航空機愛好家が運用している2200以上の地上ノードを補完するものと述べた。

データ提供者に報酬

Wingbitsは、データ提供者に対してソラナ・テストネット・トークンを報酬として提供している。FlightAwareやFlightradar24などの既存のフライト追跡サービスも航空機好家がデータを供給している。こうした企業は、フライト分析企業、航空会社、保険会社などにデータを販売しているが、愛好家たちに報酬を支払っているわけではないとウィンガード氏は述べた。

すでに90カ国以上のデータ提供者から、毎日約12万便のフライト情報が寄せられている。今後は、トークンをマイレージや空港ラウンジの利用権などと交換できる報酬システムを用意し、グローバルネットワークを構築する予定だ。

ウィンガード氏は、衛星が打ち上げられれば、地上からのデータを検証することが可能になり、「なりすまし」を防止できると述べた。同社は、競合他社よりも正確な情報を提供できることを期待している。

Wingbitsは最近、Borderless Capital、Bullish Capital(CoinDeskの親会社Bullish Groupの傘下)などからシードラウンドで、560万ドル(約8億4000万円)を調達した。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Wingbitsの衛星。航空愛好家が自宅に設置したADS-B受信機で受信したリアルタイムの航空データを検証する(提供:Wingbits)
|原文:Wingbits to Launch Satellite to Boost Flight Tracking Accuracy