- ビットコインは、流動性の低い日曜日の取引で9万ドルを割り込んだ。
- イーサリアムは相対的に堅調な動きを見せた一方、主要アルトコインは出遅れた。
- トレーダーらは、アメリカの経済指標発表や中央銀行のイベントが目白押しの週が来るのを念頭にポジションを取っている。
ビットコイン（BTC）は、日曜日の静かな取引の中で9万ドル（約1395万円、1ドル155円換算）を割り込んだ。経済指標発表や中央銀行のイベントが目白押しの週を前に、投資家のリスク選好は限定的だった。
ビットコインは、協定世界時（UTC）午後の早い時点で約8万9600ドルで取引されており、24時間では約0.9%下落した。週全体ではわずかに上昇したが、過去1カ月間では約7.6%下落している。イーサリアム（ETH）は3104ドル（約48万円）付近で取引されており、この日1日で見れば下落したものの、過去7日間では2%以上上昇しており、週間ベースではビットコインのパフォーマンスを上回った。
市場全体では、価格動向は依然として控えめだった。ソラナ（SOL）、エックス・アール・ピー（XRP）、ドージコイン（DOGE）、カルダノ（ADA）はいずれも下落。過去1カ月間で2桁の下落を続けており、主要アルトコインの弱さが続いていることを浮き彫りにした。CoinDesk 20 Index（CD20）は1%近く下落した。
暗号資産（仮想通貨）全体の時価総額は約3兆1500億ドル（約488兆円）で、24時間で約0.8%下落した。取引高は約890億ドル（約13兆8000億円）で、日曜日特有の流動性の低さを反映している。ビットコインのドミナンスは57%付近で推移しており、投資家が選別的な姿勢を崩さない中、最大のデジタル資産であるビットコインへの集中が続いていることを浮き彫りにしている。
一部のアナリストは、主要なテクニカル水準が下がった場合、ビットコインの保ち合いは下落に転じる可能性があると警告している。暗号資産アナリストのアリ・マルティネス（Ali Martinez）氏は14日にXで、ビットコインにとって8万6000ドルは依然として維持すべき重要な水準だとし、このサポートが崩れれば、より深刻な反落が起きる可能性があると指摘した。
今後数日間にマクロ経済イベントが目白押しとなることを前に、市場は小休止しているようだ。アメリカでは、投資家は金利の動向に関する手がかりを求めて一連の雇用関連の指標に注目するだろう。これには、失業率、ADP雇用統計、週次の失業保険申請件数が含まれる。また、11月のインフレデータ、12月のPMI速報値、FRB（米連邦準備制度理事会）のステファン・ミラン（Stephen Miran）理事とクリストファー・J・ウォーラー（Christopher J. Waller）理事の講演にも注目が集まる。
日銀が18日に行われる政策決定会合で利上げを行うと広く予想されているため、マクロ経済に敏感なトレーダーは日本の動向も注視している。ロイターの12日の報道によると、インフレ率が日銀の目標である2％を3年以上継続して上回っていると日銀の植田和男総裁が示したことを受け、市場は政策金利が0.75%に引き上げられる動きをほぼ織り込んでいる。
こうした措置の後も日本の借入コストは世界的に見て低い水準にとどまるものの、報道では、金融環境は今後も順応的であり続け、今後の利上げは経済が各利上げにどのように反応するか次第だと日銀が強調する可能性が高いと指摘された。しかし、金融政策引き締めの見通しにより、暗号資産を含む世界的なリスク資産を支えてきた流動性の供給源である円建てキャリートレードに影響する可能性に注目が集まっている。
今のところ、暗号資産市場はレンジ内で推移しており、取引高は低調で、トレーダーの確信も限られている。今後のアメリカの経済指標や中央銀行の決定からより明確なシグナルが得られるのをトレーダーが待っていることが原因だ。
｜翻訳・編集：林理南
｜画像：Midjourney / modified by CoinDesk
｜原文：Bitcoin Drops Below $90K Amid Fading Risk Appetite Ahead of Key Macro Events
