米軍にブロックチェーンを売り込む組織

米国防総省は2020年後半、ブロックチェーン技術が米軍を強化する可能性に関して議会に報告を行う。

ワシントンD.C.を拠点とするバリュー・テクノロジー・ファウンデーション(Value Techonology Foundation)は、国防総省にそうした公聴会の開催を求める先頭に立ったと同組織の代表兼CEO、ジェイソン・ブレット(Jason Brett)氏はラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市「CES 2020」の会場でのCoinDeskに語った。

「弊社はブロックチェーンの説明を担当した」とブレット氏は述べた。

「我々は、軍にブロックチェーンに注目して欲しいと考えている。そうすれば軍は、インターネットと同じくらい強力なものに進化する可能性があるブロックチェーンに長期間投資できる」

報告は、より幅広い業界を活性化する可能性がある。

「軍は議会と、軍の将来的なブロックチェーン利用から、民間のユースケースに応用される可能性があるユースケースを共有することが求められる」と同氏は述べた。

ブロックチェーンという言葉は、2019年12月20日(現地時間)に成立した上院法案1790の条項255の文言に基づいて、議会報告書に登場している。ブレット氏の組織は、民主党のダレン・ソト(Darren Soto)下院議員の事務所と協力して、ブロックチェーンという言葉を報告書に登場させた。

この年次法案は以前にも、似たような調査のために使われてきた。例えば2017年には、サイバーセキュリティーの研究が立ち上げられた。NATO(北大西洋条約機構)も最近、軍におけるブロックチェーン利用を検討した。

リスクと見返り

当然、この報告がブロックチェーン技術に対する否定的な見解をもたらすリスクはある。

「それは間違いなく、こうした公聴会を行う時につきまとうリスク」とブレット氏は述べた。しかし同氏の組織は、国防総省の研究に先立って問題を明らかにしようとしている。

「現在、8社と連携してホワイトペーパーを執筆している」

ホワイトペーパーは、ブロックチェーンにどのような有用性があるかを説明するものだ。例えば、軍はすでに部品の調達に、配送ではなく、3Dプリンターを活用することに取り組んでいる。そうした計画では、ブロックチェーン技術を使って安全に部品を調達できるとブレット氏は述べた。

バリュー・テクノロジー・ファウンデーションは2019年6月に設立されたばかりで、ワシントンD.C.におけるブロックチェーン推進組織の中では新参の組織。ブレット氏は以前、デジタル商工会議所(Chamber of Digital Commerce)やコンセンシス(ConsenSys)で仕事をしていた。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:shutterstock
原文:Meet the DC Advocacy Org Helping Put Blockchain on the US Military’s Radar