[更新]ボーダフォン、リブラ協会から離脱──アフリカでの「Mペサ」拡大に注力

[更新]ボーダフォン、リブラ協会から離脱──アフリカでの「Mペサ」拡大に注力

イギリスの通信大手ボーダフォンは、リブラ協会から離脱した8番目の企業となった。

ボーダフォン、8社目の脱退企業に

ボーダフォン(Vodafone)とリブラ協会は1月21日(現地時間)、ボーダフォンがリブラ協会から離脱したことを認めた。ボーダフォンはこれまではリブラに向けていたリソースを、すでに実績があり成功を収めているデジタル決済サービス「Mペサ(M-Pesa)」に向ける。Mペサは現在アフリカの6カ国でサービスを展開しており、さらなる拡大を計画している。

同社の離脱は有効的に行われたようだ。ボーダフォンは、以前メンバーを動揺させ、離脱へとつながった規制上の懸念のためではなく、自社の関連サービスに注力するために離脱したようだ。

ボーダフォンは、ペイパル、マスターカード、ビザ、メルカドパゴ、イーベイ、ストライプ、ブッキング・ホールディングスに続いて、リブラプロジェクトから脱退する企業となり、2019年10月に協会が正式に発足した後、最初に脱退する企業となった。決済関連企業にとっては、複数のアメリカ上院議員が言及した規制強化の懸念が脱退の理由となったようだ(少なくとも1社、ビザは特に脱退の理由に「規制上の問題」をあげた)。

声明においてボーダフォンの広報担当者は、同社は、現時点ではMペサに注力することで、世界の貧困層に手頃な金融サービスを最も効果的に提供できると考えていると述べた。

「我々は、当初からボーダフォンの願いは、金融包摂(ファイナンシャルインクルージョン)の拡大に真に貢献することにあると述べてきた。我々はその目標に向けて全力を尽くす」

リブラ協会のポリシー&コミュニケーション責任者ダンテ・ディスパルテ(Dante Disparte)氏は、声明でボーダフォンの決定に触れた。

「協会メンバーは時間とともに変化する可能性があるが、リブラのガバナンスとテクノロジーの設計はリブラを支え、回復力を維持する」

リブラは2020年、協会に新メンバーを入会させる予定と関係者は語った。入会を希望する企業は1500社を超える。新規加入には、既存メンバーの3分の2の参加が必要となる。

ドアは開いている

フェイスブックは数カ月の憶測の後、2019年6月にリブラを発表した。リブラのウォレットを開発するフェイスブックの子会社カリブラは協会のメンバーとなっているが、形式上、リブラは独立した組織になっている。

リブラの目標は「数十億の人々をつなぎ、力を与えることができる金融エコシステムを構築すること」とディスパルテ氏は6月、CoinDeskに語った。

リブラとカリブラのマーケティング資料によると、世界では17億人が金融サービスから取り残されている。リブラはこの問題を個人間の資金移動を簡単にすることで解決したいと考えている。目標はボーダフォンと同じだ。

ボーダフォンはモバイルベースのサービス「Mペサ」を通して、アフリカで長年、独自のデジタルマネーを運営している。

Mペサはすでにさまざまな通貨の送金に対応している。ボーダフォンの構想に精通している人物は、Mペサは将来的には、リブラなどのステーブルコインを受け入れる可能性があると語った。

「我々は、リブラ協会の発展に引き続き注目し、将来の協力の可能性を排除しない」とボーダフォンの広報担当者は語った。

2020年のローンチは?

リブラは当初、2020年上半期にローンチの予定だったが、昨年、マーク・ザッカーバーグCEOが規制上の懸念によって、日程は遅れる可能性があると述べたことにより、このスケジュールは疑問視されている。

ダボス会議で行われたグローバルブロックチェーンビジネス評議会(Global Blockchain Business Council)によるパネルディスカッションで、ディスパルテ氏もまた、ローンチスケジュールが遅れる可能性を示唆した。

「我々は、このソリューションを最も必要としている人々のための問題解決を妨げるようなローンチ期限を設定するのではなく、ゆっくり、正しく進めていく」とディスパルテ氏はCoinDeskに語った。

だが、規制の明確さがデジタル通貨を「解き放つ」ためには欠かせないと同氏は述べた。

ボーダフォンの構想に詳しい人物によると、ローンチのスケジュールは同社にとって懸念事項ではなかった。

そして、こうした規制上の懸念はリブラの技術的な設計や開発を後退させているようには見えない。リブラ協会はすでにリブラのテストネットをローンチし、過去数カ月にわたって新機能が追加されている。

先週、リブラ協会はそのロードマップを監督する技術運営委員会の発足を発表した。委員会は複数のメンバー企業の幹部で構成されている。

「協会は、安全で、透明性が高く、消費者に優しいリブラ決済システムの実現に向けて作業をつづけている」とディスパルテ氏は21日、声明で述べた。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Image via CoinDesk archive
原文:Vodafone Is the Latest Big Company to Quit Facebook-Founded Libra Association

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