デジタル人民元が目指すものとは?──上海・復旦大学の教授が語る

マイケル・ソン氏は上海・復旦大学の教授、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会(通称:ダボス会議)でCoinDeskチーフコンテンツオフィサーのマイケル・ケーシーと話をした。テーマはもちろん、中国でのデジタル通貨とブロックチェーンプロジェクトの今後について

どれほど大きな取り組みか? 実際、何が進んでいるのか?

「2019年10月24日、習近平国家主席が2つの重要な発言を行った時、世界は気づかされたと思う」とソン教授は語った。

「まず、中国共産党の重要な会議、すなわち中国の将来戦略を決める最も重要な会議の1つが開催され、そこで2014年から計画を進めてきたデジタル通貨を発行することが宣言された」

ソン教授は、中国共産党が中国全土にカバーするデジタルソリューションとして計画を構築するなか、5年近くにわたってこの新通貨プロジェクトを研究してきた。

「リブラが発表されたため、中国人民銀行デジタル通貨研究所の穆長春所長は急いで北京に戻り、共産党高官全員を対象にした特別ワークショップを開催し、『OK、これに正面から取り組もう』と決めた。だが実際、私の意見では、この週に起きたニュースは少なかった」

「次に、習近平国家主席が中国のブロックチェーン戦略を発表した」とソン教授は語った。ソン教授によると、習主席自らがデジタル人民元を発表したために、より意味のある出来事になった。中国ではこれは計画に正式な許可を与えたことになるとソン教授は述べた。そして他国政府の注意を促すことにつながる。

「これは重大な出来事であり、私は中国のブロックチェーン戦略がもたらす結果は世界中が知ることになると思う。中国が国家戦略として取り組むからだ」とソン教授。

「すべてのビッグプレイヤーはこのゲームに参加しようとしている。そして、これは中央政府が介入し、ある種の中心的な役割を果たしていることを示している」

※動画は、US版をご覧ください。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Michael Sung image via CoinDesk video
原文:What Are China’s Goals Behind Its Digital Yuan?