【新型コロナウイルス】米株価に打撃、ビットコインは上昇も安全資産としてのポジションは不鮮明

【新型コロナウイルス】米株価に打撃、ビットコインは上昇も安全資産としてのポジションは不鮮明

感染拡大が続く新型コロナウイルス(新型肺炎)は投資家の間に新たな恐怖の種をまき、株式市場の急落と、ゴールドや米国債といった安全資産への資金流出を引き起こしている。現在47カ国で感染が伝えられ、旅行のキャンセル、出荷の遅れ、業務の中断などが報じられている。

米企業の利益の伸びは消失

アメリカの株価は6日連続で下落し、国債の利回りは記録的低水準、ゴールド価格は7年ぶりの高値を維持し続けている。ビットコイン価格は記事執筆時点で8900ドル付近まで回復し、イーサリアムなどの人気仮想通貨とともに上昇している。

ゴールドマン・サックスのアナリストらは2月27日、コロナウイルスは生産現場のサプライチェーンを混乱させ、輸出需要を弱らせ、究極的には中国、アメリカなどの地域の経済生産を妨げる可能性があると警告した。また同社は感染の影響により、S&P500企業の利益の伸びは消え去る可能性があると述べた。

「我々は、ウイルスが拡大する可能性を組み込むために収益モデルをアップデートした」とチーフ米国株ストラテジスト、デビッド・コスティン(David Kostin)氏率いるゴールドマン・サックスのアナリストらは記した。

バンク・オブ・アメリカのアナリストらは27日、コロナウイルスは「国際市場を握った」と述べた。すでに各国の金利は歴史的低水準かそれに近いもの水準であり、ヨーロッパや日本ではマイナスとなっている。「中国の経済活動が改善され、国際的なウイルスの封じ込めの兆候があるまで」上昇は期待できない。

「アメリカの投資家の大半は、金融市場でのウイルスの影響からの反転を待っているが、状況はさらに悪化している」とアナリストらは記した。

「我々は米国債は、安全資産による保護として考えられる最適な選択肢と明確に考えている」

ペンス副大統領、対策の責任者に

トランプ大統領は26日、「フェイクニュース」メディアは「パニックに陥っている市場を含め、コロナウイルスを可能な限り悪いものに見せるためにあらゆる手を尽くしている」とツイートした。

しかし、アメリカ経済が11月の再選の可能性に痛手を与えかねない新しいリスクに直面するなか、大統領はマイク・ペンス副大統領を公衆衛生の懸念へのアメリカ政府の対応をまとめる責任者に指名した。

トランプ大統領は、知事や議員が連絡を取る人物を1人に絞ることを望み、「分散化した状況における権力闘争を排除した」とニューヨーク・タイムズは匿名のホワイトハウス関係者の発言を引用した。

今週、S&P500は急落し、年初以来7%の下落となった。

米10年国債の利回りは0.02ポイント低下し、記録的低さとなる1.29%となった。

ニューヨーク・マーカンタイル取引所の金先物は27日、ほとんど動きはなく、週前半に記録した7年ぶりの高値、1オンスあたり1662ドル(約18万円)付近を維持している。

「馬鹿げた戦略」

ビットコインは今週前半、コロナウイルスの脅威が株式市場に打撃を与えるなかで下落し、ビットコインはゴールドと同様に金融パニックからの安全な逃避先となる可能性があるという主張に一部のアナリストが疑問を呈し始めることになった。

ビットコイン価格は26日、8627ドル(約94万円)と2月の最安値を記録した。ビットコインは10年以上前に、グローバルな経済危機の苦しみの中で生まれた。

しかし27日には、一定の楽観主義が市場に戻り、ビットコイン価格は反発、年初来24%の高値となっている。

宇宙旅行の実現を目指す企業ヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)の会長を務めるビリオネア投資家のチャマス・パリハピティア(Chamath Palihapitiya)氏は27日、ビットコインは株式、債券、新興市場といった他の資産カテゴリーとは「まったく相関関係がない」ようだとCNBCに語った。

そのダイナミクスは、投資家に資産の1%をビットコインに注ぎ込むよう促すものだが、投資は徐々に進めていくべきと同氏は語った。

「朝、目を覚まし、コロナウイルスの脅威やダウが2000(ポイント)下がったことを見ても、ビットコインを買いに走るべきではない」とパリハピティア氏は指摘した。

「それは馬鹿げた戦略だ」

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:image via the Ecohealth Alliance
原文:Coronavirus Hits US Stocks, Bitcoin Climbs, Haven Status Unclear

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